中東危機回避に向けたイランの外交努力 フィールーズアーバーディー:イランはレバノン戦争に介入しない ハムシャフリー紙
2006年07月23日付 Hamshahri 紙

2006年7月23日付ハムシャフリー紙

【政治部】レバノンでのシオニストらによる暴力が続く中、中東危機の解決へ向けたイランの外交的協議も盛んになってきた。イラン大統領による一部のイスラーム諸国首脳との電話会談や、外相による声明の中で、イランはヒズブッラー抵抗軍を支持するという姿勢を明らかにした。また、全軍統合総司令部参謀長の最近の発言の中で、イランは決してレバノン戦争に介入しないとの姿勢が表明された。

 IRNA(イラン国営通信)の報道によると、ハサン・フィールーズアーバーディー参謀長は、昨日開かれた公益判別評議会の会議の傍らで、「イランはただ政治的、外交的な観点からのみレバノンの支援を続ける」と述べた。

 また二日前に、被害に遭っているレバノンの人々を支援する目的で、国連事務総長に書簡を宛てたイラン外相は、昨日在イラン・チュニジア大使との離任会見の際、現下の地域情勢に関しイスラーム諸国はさらなる協議を行う必要がある、と強調した。コフィー・アナン事務総長に、シオニストらによる野蛮な攻撃を終結させるよう、国連は積極的に動くべきだと訴えていたマヌーチェフル・モッタキー外相は昨日、国連安保理が自らの責任を果たすためには、いまやイスラーム諸国はレバノン情勢により関心を払うべきだと語った。

 他方イランの国連大使(常駐代表)は昨日、国連安保理の場で「これまでつねにムスリムやアラブ人に対するイスラエルの侵略を支持していきたアメリカの立場は、現在その最高潮に達している。その立場はむしろ、極端ですらある」と述べた。その一方で、ブッシュ大統領は最近の発言の中で、イランがヒズブッラーに対し武器を供与していると非難し、イランはテロ支援国家であるとの主張を繰り返した。AP通信の報道によると、アメリカ大統領は、このような主張を自身の最新のラジオ演説の中で行ったとの由である。

 モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ国連大使は国連で、「イランはパレスチナやレバノンの人民・政府を支援するつもりだ。彼らが自主独立と領土保全という正当な諸権利を取り戻せるよう、政治的・人道的援助を行う用意がつねにできている」と主張した。ザリーフ大使はまた、「真実を歪曲しようとするあらゆるプロパガンダや努力にも関わらず、世界の人びとは、誰が罪人で、どの体制が悪の枢軸であり、テロの機軸をつくってきたかを知っているのだ」と語った。

 イランの国連代表はまた、「このような暴力は、人びとの占領への抵抗の意思を強くするだけだ。このことは、経験が示している」と述べ、さらに次のように続けた。「気がかりなのは、レバノン人民各層が国民的な対話を通じた包括的な相互理解に達するべく、国民的な努力をしていた、まさにその時に、シオニスト体制による犯罪行為が起きてしまった、ということである。イスラエルの侵攻の目的の一つは、このような国民的努力のプロセスを破壊することにあったのだ」。イラン常駐代表は安保理で、「われわれはレバノン人民が望む、〔イスラエルに囚われている〕レバノン人及びパレスチナ人囚人の解放や、侵略者による人びとの殺戮やインフラの破壊に対する責任の追及などを含む、レバノン危機の包括的解決を支持する」と述べた。

 ▼イギリス、イランの干渉を否定

 昨日イギリス外相は、フィナンシャル・タイムズ紙とのインタビューの中で、「イランとシリアがヒズブッラーの攻撃に関与していることを示す証拠は存在しない」と言明した。マーガレット・ベケット外相は、「同地域の衝突に他国が関与していることを示す絶対的な証拠を手にすることなど不可能だ」と言明した。

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( 翻訳者:齋藤あかね )
( 記事ID:3081 )