高等教育機構(YÖK)から学生選抜試験の代替案(Radikal紙)
2006年07月04日付 Radikal 紙

高等教育機構は、セゼル大統領へ提出した「トルコ高等教育戦略草案」において学生選抜試験の代替案として5回の試験を行うシステムを提案した。

 高等教育機構と諸大学によって高等教育システムに「法的基礎」をつくる目的でまとめられた「トルコ高等教育戦略草案」報告書で、現在の学生選抜試験のシステムの代替案として合計5回の試験導入が提案された。この提案によると、移行後のシステムでは学生選抜試験の代わりに、「中等教育修了試験」を行う。学生は、高等学校2年で「進路方針試験」を受け、高校卒業時に修了試験を受けることになる。このシステムにおいて、特別能力試験以外に、核として2つの試験を行う予定である。
 諸大学の学長、高等教育機構のメンバー、そして学生選抜配置センター長は3日、大統領邸を訪れ、トルコ高等教育戦略草案をアフメト・ネジュデト・セゼル大統領へ提出し、草案の内容を公表して社会の議論に供した。
 高等教育機構理事長のエルドアン・テズィチ教授は、草案をセゼル大統領へ提出した後、高等教育機構において記者会見を行った。テズィチ氏は、草案は法案ではないことを強調し、「だが今後法を作成するうえで基礎にはなり得る」と話した。また同氏は、1年半かけて作成した草案を今後は諸大学やその他の関係機関へ送ったり、インターネットで世論にも公開したり、2ヵ月半をかけてあらゆる見解を検討する予定を明らかにした。そして、草案はある「可能性」について作成されたものであり、何かを決定するようなものではないと述べている。さらに、大学入学システムについては「学生選抜試験の廃止を実現するような力を私はトルコでは見出すことができない」と語った。「草案には不可侵の聖域はない。草案全体が議論の対象となっているのだ。草案が完成したら政府に提出するつもりである」と話し、この会見の終了後、集まった記者らに草案が配布された。

■進路方針試験と修了試験
 草案では、まず学生は高校2年次に「進路方針試験」、高校卒業時に「修了試験」を受けることが提案されている。進路方針試験では学生が進みたい分野を決定し、修了試験では通信制、大学前教育プログラムの一部、そして一部の学部への入学権利を得ることになる。生徒は修了試験後に6月後半から4週間続く「授業水準選抜試験」を受け、この試験において成績の良かった者は医学部、法学部、工学部といったハイレベルといわれる学部に入学することができる。また高校卒業時に生徒は、全体共通のカリキュラム内容について行われる「基礎水準選抜試験」を受け、この試験で良い成績を獲得した者は、職業高等教育機関、そして学部の一部の学科に入学することができる。


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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:2897 )