アルメニア系記者フラント・ディンク氏の裁判でまたも妨害行為(Milliyet紙)
2006年07月05日付 Milliyet 紙

 フラント・ディンク裁判でこれまでたびたび事件を起こしてきたあるグループは、昨日も裁判所に詰め掛け、弁護士に暴力を振るった。

 アゴス新聞編集長フラント・ディンクと同紙編集責任者らについて、「判決に影響を及ぼそうとした」罪により懲役3年が求刑されている裁判の最後の尋問で、再び暴力事件が発生した。
 弁護士ケマル・ケリンチスィズらは、警官が数十人詰めていた廊下で事件を起こした。フランス人新聞記者に反感をあらわにし、容疑者の弁護士デニズ・ジェイランを殴ったのだ。

■弁護士の目にあざ
 フラント・ディンクの「トルコ性侮辱罪」の判決を受けて2005年10月14日にアゴス新聞に掲載された「この判決で民主主義は保証されるのか」という見出しの記事について、弁護士ケマル・ケリンチスィズを含む10人が訴訟を起こした。
 約1時間続いた昨日の尋問には、逮捕されていない容疑者のうち、セルキス・セロピヤンだけが出席し、前の公判で証言したフラント・ディンクとアラト・ディンク、アイドゥン・エンギン容疑者は出席しなかった。

■ファシズムの具現化
 尋問の後、前々回の公判で裁判所にディンクが姿を見せた際、彼に対し侮辱をし、つばを吐き、頭にライターを投げつけた者たちを含むあるグループは、トルコ国旗を手に裁判所の前に集まった。
 容疑者のアイドゥン・エンギンの代理人トラ・ペキン弁護士は、尋問に続いて起こったことは、とても悲しく恐ろしかったと話した。「確かに抗議とデモの権利は誰にでもある。しかし、そこで行われていたのは攻撃以外の何者でもない。容疑者の弁護士に対して、妨害行為をしたり、ペンを投げたり、殴ったり、叫んだりしていたことからして、彼らの行為はまさにファシズムという概念の具現化である」と述べた。


関連記事:2005-10-08 建前としての言論の自由:アルメニア人記者フラント・ディンクに6ヶ月の懲役(Radikal紙)http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/newsdata/News2005108_1032.html



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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:2910 )