懸念の終わり:《レサーラトトンネル》7月16日開通~テヘラン市工事開発庁長官に聞く シャルグ紙
2006年07月04日付 Sharq 紙

【社会部】まだ工事中の《レサーラトトンネル》は当初心待ちにされていた通りであれば今週木曜に開通するはずだったが、市役所の発表では、正式な開通式はティール25日(西暦7月16日)に行われるということだ。丁度3年前、本トンネルの開通はバフマン月(1月21日~2月19日)と発表されたが、バフマン月が来ると、今度はエスファンド月(同2月20日~3月20日)と、そしてエスファンド月が来ると、時のアフマディーネジャード市長の助役が「数ヶ月後」と発表した。そして「数ヶ月後」が「数年」になった。

このように何度も約束が反故にされてきたことと今回の延期を思うとき、今度もまた、開通が「スローガン」で終わるのではないかとの懸念が広がる。しかしこのような状況でも、テヘラン市工事開発庁長官のナスル氏は言う。「心配には及びません。トンネルは準備万端です。延期されたのは単にファーテメ・ザフラー殉教追悼記念日と重なるからで、これ以外の障害はありません」。ナスル氏は下記に続く対談のしまいまで、開通日が延期されるのではないかとの懸念を拭いきる間を与えなかった。

● 当初見込まれていた開通日に遅れが生じてきたのは何故か?
→ 遅れたのは現場のせいではありません、プロジェクトは発表された工程期限通りに進んできたし、造成も望ましい状態で完了しつつあります。我々は造成部門が約束通りティール月半ば(7月上旬)に終了することを願っています。現在、造成部門の97%以上が終わっており、不具合を改善したり、縁石や側溝のような細部を仕上げているところです。特にダッレ・ギャンジャヴィーの。

● 道路工事の面ではどうか?
→ トンネル東西のアスファルト層は大体完成し、トンネル内部も残りの数日で終わります。何班かの外装班がやっています。私たちは決められた期日に造成段階を終わらせて引き渡すだけです。

● では何故決められた期日に開通しないのか?
→ 一つは、ファーテメ・ザフラー殉教追悼記念日が近いせいです。もう一つは、当初の議論になかった換気にかんする議論のせいです。最近、昨年暮れ頃に別個に契約を結んで追加したのが今設置されているのです。

● 結ばれた契約というのはジェットファンのシャフリーヴァル月(西暦8月23日~9月22日)の引渡しを意味するが、どうして今設置できるのか?
→ 契約にある期日はあなたの言うとおりだが、働きかけて、一部を納期より早く届かせたのです。開通時には換気システムの50%を設置できればと思っています。

● で、残りは?
→ モルダード末~シャフリーヴァル初め(西暦8月下旬)には確実に設置されます。勿論、安全システム等は開通時までに終わります。

● 延期されたのは、開通がワールドカップの決勝戦と重なって、こちらの影が薄くなるからだという声がどこからともなく聞こえてくるが?
→ つまり?

● つまり、市役所が期待通りにこの壮大なプロジェクトに人々の関心を集められないということだ。
→ それは全く正しくありません。この10日間の遅れはワールドカップやご指摘のこととは全く関係ありません。

● つまり、もしこの話がなかったらティール15日(7月6日)に開通していた?
→ 道路敷設と造成面では確実にそうです。でも換気システムの面ではある程度までとしか。

● あなたより前にも、「トンネルは造成面では97%出来ており、活用の準備が整っている、開通までの問題はソフトの問題だ」と言われていた。あなたも今、同じことを言っている。一体この7,8ヶ月、どんな措置が取られていたのか?
→ 全然違います。作業の大きさははっきりしていますから、教えてもいい。これまで発表されてきた%には問題が二つあり、一つはプロジェクト全体の大きさが見えていなかったことです。このため、造成の進捗状況として提示された%も、プロジェクト全体の%でなく、各契約の%で、プロジェクトそのものと整合性がありませんでした。

● つまり、「トンネル工事の97%が終わった」と言われたとき、それはトンネルの一部に適用される契約の97%であって、全体の97%ではないと?
→ そうです。本プロジェクトの当初予算が22億(約2億8000万円)だったのが今では約500億トマーン(約63億8900万円)の費用がかかっているとしても、これも価格リストに従ってのことです。

● あなたがプロジェクトを引き継いだ時点で、プロジェクト全体の何%が出来ていたのか?
→ 作業全体の約70%です。それまでの9年間に終わった分です。残りの30%を我々がこの9ヶ月にやりました。そのうち3ヶ月は冬場でした。冬場の工事がどんなに難しいか、おわかりでしょう? でもいろいろ策と練りましたし、テヘラン市役所も協力してくれ、その季節も望ましい形で活用することができました。

● それでも、決められた日に開通しない?
→ ご理解ください。このような壮大なプロジェクトのたかだか10日です、遅れたのは。全くもののうちに入りませんよ。国際水準でも10日の遅れなど普通のことです。

● 確かに。でもあなたも認めてください。この「10日遅れ」が開通までに何度も起こってきたので人々が懸念していることを。過去2年、アフマディーネジャード氏が運営していた時期、少なくとも3回遅れが生じ、結局開通しなかった。今度は(現テヘラン市長の)ガーリーバーフ氏の番では?
→ その時期のことについて私は答えられませんが、今回は決められた期日に開通しますから安心してください。ご安心を。

● 核問題のことであなたの仕事も影響を受け、いろいろな問題が生じたと聞いたが、本当か?
→ 国際政治と地域政治にはかなり影響を受けました。でもとにかくジェットファンと他のいくつかの設備を輸入しました。この9ヶ月、政治情勢のために困難に直面したケースもいくつかありました。遅れの一部もこれらの動向に起因しました。

● たとえばどの部分に困難を抱えたのか?
→ 信用状を発行してもらったり銀行用の保証人を確保することは一見政治的でないようで、実は政治の影響にかなり支配されています。勿論、国際的な制限の話ですが、我々はセメントを制限されるという問題にも直面していました。

● もしティール25日(7月16日)に開通しなかったら?
→ 安心してください。しますとも。

● ティール25日は換気システム50%での開通だが、このことで問題は起きないか? 24機の換気装置で自動車に対応できるか?
→ 勿論、48機全て設置されますが、モルダード月とシャフリーヴァル月(西暦7月23日~9月22日)は24機が使えるに留まります。それとて何の問題も生じません。第一に、トンネルがそれほど長くない、第二に、二つのトンネルの間に間隔があるからです。

● もう一つ心配なのが、開通する時になってあなたが「トンネルは限定的に開通します」などと言わないかということ。
→ これについても心配には及びません。トンネルは全てのアクセス道とともに完全に開通します。ただ、輸送次官が自動車をトンネルに管理誘導する計画でいます。これは物理的・造成面の不備からではなく、ただ人々に新しいルートに親しんでもらい、交通を整備するためにやることです。

● しかしこんなことは他の開通ではやらないことだ。普通は新しいルートができても輸送次官は何もしない。
→ 《レサーラトトンネル》は試験対象になるべき特別のプロジェクトでもありますから。それに換気装置が全部は付いていないので、こうすることで万が一事故が起きてもリスクを減らせます。

● 《レサーラトトンネル》の開通が9年間遅れてきたことで、このプロジェクトはあまりに肥大化し、その効果のほどまでもが誇張されてしまっていると思う。82年バフマン月(2004年1-2月)に開通することになった時、市役所内には、このトンネルの開通でテヘランの交通渋滞問題がかなり解消すると言う人たちがいた。とはいえトンネルは開通しなかったし、交通問題も解消しなかった。だから今お尋ねしたいのは、このトンネルの本当の影響力はいかほどかということだ。
→ 現実はこうです。テヘランの交通渋滞というのはこのトンネルが開通したくらいでは、ひいては平坦なハイウェイが一本できたくらいでは解消しないほど複雑なのです。それでも、本トンネルはこの弊害に効果的だと言えます。

● 直接的にはどのルートに効果があるか?
→ 現在、東から西方向に流れるシャヒーデ・ハキームの交通の一部、それからレサーラトハイウェイの東から西方向への流れは、途中で断絶があるために、ファジュル橋を通ってヘンマトハイウェイに入らざるをえません。うまくいってもチャムラーンハイウェイ経由です。そして再びハキームその他のルートに分岐するようになっています。このファジュル橋付近の入り口に交通が殺到することで、ヘンマトハイウェイ全体の効率が下がることに注目してください。もしこの入り口がなくなれば、少なくともヘンマトの交通をスムースにできます。私はレサーラトトンネルがシャヒーデ・ヘンマトハイウェイの交通を約20%削減できると考えています。

● あなたはかつて、このトンネルが色つきアスファルトで外装されると言っていたが、その話はなくなったようだ。何故か?
→ なくなっていません。ただ、調整がうまくいかず、開通式に間に合わなかったのです。

● そういうアスファルトが他の一般道やハイウェイにも使われる可能性はあるか?
→ ええ。みなさん、2ヶ月後には確実にテヘランでそれらを目にすることでしょう。

● トンネルはさておき、開発契約の70%がテヘランのものだというが?
→ 66のプロジェクトが主に外環・内環自動車道に集中しています。

● で、66のプロジェクトは全て遅れがちで、中には2,3年遅れているのもある。これらの処理は進んでいるのか?
→ 市長の政策で、これらのプロジェクトが終了しないうちは、新たな事業を始めないことになりました。トウヒードトンネルやアースィヤーハイウェイのような特別なケースを除いて。遅れているとおっしゃるのはその通りです。実は1378年(1999-2000年)に始まって80年(2001-02年)に完工するはずだったのに、まだ残っているプロジェクトもいくつかあります。同じようなケースが80、81、83年のにもあります。でも遅れているもののほとんどが1382年(2003-2004年)に始まったプロジェクトです。

● つまり、アフマディーネジャード氏が時のテヘラン市長だった時代に着工したプロジェクト?
→ はい。これらの一部はアフマディーネジャード氏時代の市役所が革命防衛隊の建設司令部と交わした取り決めに基づくものでした。

● 例の1000億トマーン(約127億800万円)の取り決めか?
→ そうです。革命防衛隊がこれだけのお金を投資し、その代わり市役所から土地と高層建造物の建築許可をもらうことになっていました。残念ながら、契約は結ばれましたが履行されませんでした。建設司令部が取り決めの額を持ってくることができなかったのです。持ってきたのは100億(約12億7000万円)だけでした。

● つまり、これが遅れの原因だと?
→ 一部そうです。他には非現実的な工事日程が組まれたていたことがあります。

● で、今それらはどうなるのか?
→ 次官が自分のところの内部予算でこれらのプロジェクトを終わらせることに決めました。

● つまり、革命防衛隊との契約は取り消された?
→ ええ。建設司令部は現在、一請負工事業者の形で活動しています。

● この9ヶ月、工事開発庁は前の時期に比べて低迷していると言われているが?
→ そんなことは全くありません。84年第一四半期(2005年3月21日~6月21日)と比べて85年第一四半期(2006年3月21日~6月21日)が様々な部門でどんなに活動を迅速化させ効率を上げたかがわかります。根拠を出して証明することもできます。


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( 翻訳者:吉村 かすみ )
( 記事ID:2919 )