レバノン問題をめぐるイラン外交の最新動向:イラン・ロシア両国大統領が電話会談 ハムシャフリー紙
2006年08月13日付 Hamshahri 紙

2006年8月13日付ハムシャフリー紙

【政治部】マフムード・アフマディーネジャード大統領は金曜日の夜、ロシア大統領と電話にて会談し、最新の中東情勢につき話し合った。ウラディーミル・プーティン大統領もまた、イラン大統領の立場を確認し、イラン・ロシア両国が危機の解決へ向け、今後も協議を重ね、さらなる役割を担うべきであると呼びかけた。

 イラン大統領は、〔イスラエルによるレバノンへの〕不正なる戦争を終結させ、〔戦争終結へ向けた〕ロシア提案に対する一部西洋諸国の反対を封じるためには、独立国家による一致した努力をより強化していく必要がある旨強調した上で、次のように述べた。「もし国際機関、特に国連安保理が危機解決に対して、これまでの方法を継続するならば、これらの国際機関の信頼は地に墮ち、将来世界の安定の確立は著しい困難に直面することになるだろう」。

 大統領府のウェブサイトが報じるところによると、プーティン大統領はこの会談の中で、中東情勢、特にレバノン・パレスチナ情勢の深刻化と罪なき民間人の殺戮に、強い懸念を表明した上で、現在もっとも優先されるべきことは、戦闘の停止と停戦の確立であると述べた。

 他方、昨日トルコ訪問を終えたモッタキー外相は、次の訪問国としてイエメンを訪問、さらに同国からエジプトへ向かい、両国の外相と会談を行った。ISNAの報道によれば、モッタキー外相はイエメン入りの直後、レバノン問題に関する国連安保理決議が採択されたことを受け、「レバノンの意見が一部決議に採り入れられたことは、イスラエルにとってもう一つの敗北を意味する」と述べた。

 モッタキー外相はイエメンにおいて、「今回の訪問は、イラン・イエメン両国関係及びレバノン問題に関わるものである」とし、さらにマフムード・アフマディーネジャード大統領親書を、イエメンのアリー・アブドゥッラー・サーリフ大統領に手交する予定であることを明かした。モッタキー外相はまた、レバノンに対して出された決議を一方的であると批判、シオニスト体制を利するためのものである以上改正が必要である、との見方を示した。その一方で、アリー・アブドゥッラー・サーリフ外相はモッタキー外相との会談の中で、イエメンはヒズブッラーの抵抗を支持すると強調した。

 他方エジプトでは、同国外相がモッタキー外相との会談を待ちわびているところである。エジプト外務省は声明を発出し、モッタキー外相はエジプトを2日間の予定で訪問することを確認した。モッタキー外相のエジプト訪問と時を同じくして、イタリアの外相もカイロへと向かっており、マッシモ・ダレーマ伊外相、モッタキー・イラン外相、そしてアフマド・アブルゲイト・エジプト外相による三カ国外相会談が行われる可能性もある。

 また、クウェート首長宛てのマフムード・アフマディーネジャード大統領親書が、本日モスタファヴィー外相代行により、シェイク・ジャービル・アル・サバーフ首長に手交されることも予定されている。IRNAの報道によると、モスタファヴィー外相代行のクウェート訪問では、レバノン問題が中心的な議題となっている模様だ。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:3258 )