欧州人権裁判所、ハサンケイフ遺跡保護のため政府を聴聞(Radikal紙)
2006年08月19日付 Radikal 紙

ハサンケイフを救う目的で起こされた訴訟を受理した欧州人権裁判所は、トルコの公正発展党政府に対しハサンケイフにある文化遺跡の保護のためこれまで何が行われ、また今後何をするのかを聴聞した。

欧州人権裁判所はトルコ政府に対し、ウルスダムの建設により水没するハサンケイフにある文化遺産の保護のためにとられた、あるいは今後とられる予定の対策について情報を提供するよう求めた。この件は、2006年2月22日にゼイネプ・アフンバイ教授、オルシュ・アルク教授、メティン・アフンバイ教授、オズジャン・ユクセキ氏、ムラト・ジャノ弁護士の連名で欧州人権裁判所に提訴されていた。

■3万人の署名が集まった

他方で、アトラス誌と自然協会のホームページ「www.hasankeyfesadakat.com」で始められた「ハサンケイフへの忠誠キャンペーン」では、訪れた人の署名数が3万人を突破した。嘆願書では、ウルスダムの建設中止が求められている。

■ハサンケイフの開く新たなページ

ムラト・ジャノ弁護士の情報によれば、欧州人権裁判所は次のような決定を下した:
訴訟は許容性ありと判断された。ウルスダムの建設計画が現在どの段階にあるのか、またハサンケイフの文化遺産保護のためにとられた、あるいはとられる予定の対策がどういったものであるのか、トルコに速やかに報告させることが決定した。臨時措置の要求と、この訴訟を優先訴訟として審理する要求は棄却された。
ジャノ弁護士によれば、欧州人権裁判所は、ハサンケイフのケースをもって文化遺産に対する犯罪を国際刑事裁判(所)へ橋渡しするプロセスも開始した。ジャノ弁護士は「欧州人権裁判所がこの訴訟に『許容性あり』の判断を下すことは、技術的な観点から文化遺産とその価値を基本的権利として見なすことを意味する。これは、1948年以来初めて、そして唯一下された判断である。今後のプロセスは、文化遺産とそれに付随する価値が、基本的権利と基本的自由に関する国際協定において別々の箇所に規定されることにより、これらに関して犯された犯罪が人類に反する罪と見なされ、犯罪の当事者が裁かれ、こうした罪が時効にされず、このことにより国際刑事裁判所の地位向上が図られるプロセスである」と述べた。

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( 翻訳者:古瀬 由加里 )
( 記事ID:3297 )