国防相「イランは地域諸国と不可侵条約を結ぶ用意がある」 ハムシャフリー紙
2006年08月20日付 Hamshahri 紙

2006年8月20日付ハムシャフリー紙

【政治部】国防相は、イランは地域諸国と不可侵条約を結ぶ用意があると述べた。

 国防相は、アメリカ及びシオニスト体制によるイラン核施設への攻撃の危険性について、次のように述べた。「ホワイトハウスを支配する新保守主義者たちによって、このような愚かな行為が行われる可能性はあるものの、しかしアメリカには、このような行為が行われないよう警戒する賢明な人物も存在すると、われわれは考えている」。

 モスタファー・モハンマド・ナッジャール司令官は、《政府週間》の際に行われたハムシャフリー紙との長時間にわたるインタビューの中で、さらに次のように論じた。

 「イランに対して敵対的な行動に出るためには、アメリカには世論の支持が必要だ。アメリカの世論は、現在この種の侵略行為に対して、強い嫌悪の感情を示している。加えて、アメリカは現在の泥沼の状態から脱するためには、これまで以上にイランを必要としている。シオニスト体制の首脳陣も、われわれに対して大きな弱点を有していることを、よく理解している。それゆえ、彼らが自殺行為をするようなことはないであろう。イランに対して軍事的な行動に出れば、いかなるものであれ、それは自殺行為を意味するのだ。にもかかわらず、核施設が攻撃されることもあるかもしれない。われわれはいかなるものであれ、軍事的な衝突を望んではいないが、しかしもしこのような事態が起きれば、われわれは毅然とした反応を示すことになろう」。

 国防相はアメリカに対するイランの防衛力について、次のように述べた。「アメリカは軍事技術や武器の点で、われわれよりはるかによく装備されていることは、衆目の一致するところである。彼らの年間の軍事予算は、われわれのそれの数倍に当たる。しかし、すでに述べたように、軍事技術は防衛能力にとって重要な一ファクターにすぎない。防衛にとって鍵となるもう一つの要素は、人的要素であり、彼らの士気である」。

 その上でさらに、国防相は次のように述べた。「最近アメリカ自身によって行われた研究によると、米軍の士気はイラク戦争後、著しく低下した。イラクはベトナムの泥沼の中で敗北した思い出を、アメリカに生き返らせた。米軍のさまざまな部局が作成した資料が示すところによると、もし米軍がもう一つ別の戦争に関わるならば、戦争の第一日目より、彼らの50%は《心理的なダメージ》を負い、戦争遂行に支障をきたすことになるだろう」。

 ナッジャール国防相はさらに次のように続けた。「さらに、軍が戦争に成功するためには、世論の支えがなくてはならない。アメリカは地域レベルで、人々の支持を確保していない。反対に、彼らは地域の一般の人々の憎悪を背にしており、国際社会の広範な反対にも直面している。対照的に、イラン・イスラーム共和国は、国内外で人々の強固な支持に支えられている。それゆえ、もしすべてのファクターを考慮するならば、次のような結論が得られる。すなわち、わが軍の防衛の能力は、米軍の防衛力よりもはるかに高く、そのためにもしアメリカの政府首脳が愚かな行動に出て、イラン・イスラーム共和国を攻撃しようなどという考えを実行に移すならば、その時には強力な《火山》が噴火活動を始め、アメリカは歴史上最大の敗北を喫することになる、ということを覚悟しておかねばならない、ということだ」。

 ナッジャール国防相はまた、次のように強調した。「われわれが何度も力説しているように、地域の安定と安全は、地域諸国の団結と協力によってのみ達成されるのであり、地域外の勢力が介入する必要はない。このような戦略・理念を実現するために、われわれは地域諸国とともに、軍事演習を行う用意がある。われわれはさらに、地域諸国と不可侵条約を締結する用意もある。われわれがもう一つ提案したいのは、地域諸国の国防相による共同会議の実施だ。このような会議を開催することによって、共同軍事演習の実現や不可侵条約の締結への道筋が用意されるであろう」。

 国防相はまたイランのミサイル能力について、次のように語った。「われわれは安全保障・防衛上の必要性から、脅威に対する抑止のための戦略として、ミサイル産業を育成してきた。われわれはこの分野で、顕著な成功を収めており、今日イランのミサイル産業は、世界でももっとも先進的なグループに属している。その能力は、地域のさまざまな脅威を封じ込めることも可能だ」。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:3307 )