アフガン人の自発的帰還計画進まず:今後の取り締まりはより厳しく シャルグ紙
2006年08月21日付 Sharq 紙

【社会部】アフマド・ホセイニー内務省外国人・移民長官はアフガン人が積極的に帰還しようとしないことを報じた。長官がこの発言をしたのは、「以前発表した計画によればイラン政府は今年末までに50万人のアフガン人をイランから帰還させることになっているが、今年に入ってからこの5ヶ月に帰還させることができたのはたった8000人である」と報道されたのを受けてのことであった。

昨日朝の報道を受け同長官は、アフガン人の帰還に向けた「別の因子」を考える必要性について話さざるをえなかった。記者陣に語っていた同長官は次のような警告を発した。「アフガン人はイランでおかれた状況と自発的に帰還することについて決断しなければならない」、そうしなければ「政府が彼らの将来を決めることになる」。

同長官は、イラン政府が「新たな制限の創設」と「第三国への移送」を軸とした何らかの決定を下す可能性があることを発表したうえで、これらの措置はアフガン人との関係を絶つためではなく、国内にいる外国人の在留を法制化するためだとした。同長官はアフガン人に、「もはやアフガン人がイランにいてよい政治的根拠が無いことを認めて欲しい。不法在留アフガン人100万人がいることでイランは経済的、社会的、治安的に様々な問題を抱えてきた」と訴えた。

同長官は新たに3ヶ月の猶予期間をアフガン人に与えるとし、「この期間が過ぎたら、政府はアフガン人の住居の権利を掌握するとともに、就労や税金面で新たな制限を課すだろう」と述べた。これらの発言から、イラン政府が帰還計画に失敗し、より厳しい措置を考案中であることがうかがえる。

というのも、同長官がきつい警告を発したちょうど前日、サーレヒー=マラーム労働省外国人就労長官も「本年メフル月〔西暦2006年9月23日~〕から不法在留外国人を雇うことは法的処分の対象になり、外国人本人が処分を受ける他、その雇用者も罰金を払わなければならなくなる」と発表したところだったからだ。

サーレヒー=マラーム長官はこの罰金の金額は雇用一日につき最低賃金の5倍だとし、同じ罪を繰り返した雇用者は、第二の処分として、雇用一日につき最低賃金の10倍、つまり60,000トマーン〔約7670円〕の罰金を科される。そして183条に基づき、雇用者は関係機関に出頭し、3~6ヶ月の矯正刑を受けねばならない、と付け加えた。

同長官はさらに、「この計画では、まず調査官が事業所に出向いて不法在留外国人を特定し、雇用者に15日間の時間を与えて、それらの外国人労働者をどうするかを決めさせる。その後、雇用者が不法外国人労働者のために就労資格を取りに出頭すると、一時的就労許可が発行される。労働法実施の支援政策として、雇用者が不法外国人を解雇し代わりにイラン人を雇用した場合、第4次発展計画法103条にある認可計画法49条に基づき、雇用者は第4次発展計画終了時まで雇用保険料の納付を免除される」と述べた。

同長官はまた次のように付け加えた。「この計画に必要な法的効力が認められると、80,000人の外国人が特定され、雇用者とともに既述の処分を受ける。また、労働法122条の実施にあたり、外国人整備評議会で承認された外国人労働者一時就労許可によって、外国人労働者は農業、建設、煉瓦焼きの部門で一時的就労許可を得ることができる。ある雇用者が約1年、不法在留外国人を雇っていたことが確認された場合、その罰金は1100万トマーン〔約140万円〕にのぼるだろう」。

同長官は、労働法の執行と雇用者への処罰において例外は認められないと強調し、「この罰金は政府と契約している請負業者にも適用されるし、雇用者が政府であっても、違反すれば処罰される。労働省は雇用者を取り締まるため、政府の全機関と連携した計画を実施することを目指している。労働省と他の機関の合意に基づき、我々は、就労許可を持っていないアフガン人労働者を使う雇用者に公的サービスを提供しないよう、全ての政府機関に要請した」と述べた。

同長官は付言する。「本計画の実施により、税関はそれらの雇用者にかかわる物資の通関許可を出さなくなり、市役所は不法就労アフガン人を建設現場で使っている雇用者にそのプロジェクトの竣工許可を発行しなくなり、銀行はローンその他の銀行サービスの提供を控えるようになるだろう。これらは法律ではなく、処分の一手法だ。不法外国人を使うことを雇用者に戒める厳格な法律としては、労働法11条や181条のような大変重要な法律がある」。

また、同長官は、「アフガン人不法就労者がイランに在留しイラン市場で就労することは、国に余計な出費を負担させると同時に、イラン人の就業機会を奪うことになる。アフガン人不法就労者1人が活動するにつき1人のイラン人が、イラン人にとって自明の市民権である仕事と収入と福利を奪われることになる。アフガン人労働者の不法就労の弊害を解決するには国民の意志が必要で、一省庁だけで問題を解決することはできない。労働省と外国人就労局はアフガン人不法就労者を雇用する風潮を揺さぶることしかできない」と強調した。

同長官は労働省と諸機構との連携について、7つの省庁からなり、内務省がまとめ役となっている外国人整備評議会が、他の諸機構と必要な調整を行っているとし、「アフガン人労働者は年間2兆トマーン〔約2554億8170万円〕を税金を払わずに国外に流出させる。雇用機会を一つ創出するのに2000万トマーン〔約256万円〕の経費がかかることを考えれば、アフガン人100万人の在留と就労による国の損失は20兆トマーン〔約2兆5548億1730万円〕にものぼる」と強調した。


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( 翻訳者:吉村 かすみ )
( 記事ID:3327 )