色褪せる米国のイメージ -ギュル外相:米国は他国の価値観を重視すべき(Milliyet紙)
2006年08月04日付 Milliyet 紙

レバノンの事件は自由と正義に関してアメリカが指導的立場にあるというイメージを壊していると指摘するギュルは、「アメリカは、他国が望んでいる価値観に自らも合わせるべき」と述べた。

外務大臣兼副首相のアブドゥッラー・ギュルは、レバノンで続いている悲劇が、自由と正義に関してアメリカが指導的立場にあるという伝統を世界に問題視させ、中東の民主化にむけた希望も粉々に打ち砕いている、と述べた。
ギュルは、レバノンでの事件に関してアメリカの有力紙「ワシントンポスト」に掲載された「指導力の要請:世界で一番の権力をもってしてなぜこの悲劇をとめることができないのか?」という見出し記事で、20日以上にわたって続いている抗争をいまだ終結させられないことが、アメリカの良いイメージを壊す(状況を)生んでいる、と指摘した。この状況が自由と正義に関するアメリカの指導的立場を問題視する(状況を)生んでいると主張するギュルは、「レバノンで私たちの目の前で起こっている悲劇、三週間もの間続いている苦しみにも関わらず、国際社会がこの事件を解決できないことは、残念ながらアメリカと、自由と正義に関してアメリカが指導的立場にあるという伝統を問題視させている」という表現を用いた。
ギュルは、「私の世代は、民主主義が高い価値を持つアメリカというイメージを抱いて大きくなった。世界規模で、何百万人もの人間が恐怖を抱いてレバノンの事件を注視している状況で、アメリカの親切で、上品な国というイメージが消えていくのは悲しい」と述べた。
ベイルート市街を攻撃している爆弾は、そもそも人間の良心をも攻撃していると述べるギュルは、以下のように続けた:「世界のあらゆる場所で同じ問いが発せられている。(その問いとは)この悲劇を止めることができる力を持っている唯一の国は、人々が悲しんでいるのに何故目をつぶっていて、助けを求めている声に何故耳をふさいでいるのか?」

■過激論者が利している

ギュルは、「この地域にすんでいる人々の生活と共に、アメリカや他の同盟諸国と共に数多の労苦の末に押し進めることに携わった中東の民主化にむけた希望も、粉々になっている」と述べた。
現状では原理主義や過激論者が影響力を広げようとしていると述べるギュルは、「誰がこれ(レバノンでの事件)に対し許可を出す権利があるのか?」と問い、「私たちの共通の良心が何日も為すべきと訴えかけていることのために、私たち全員が行動を起こさねばならない」と述べた。
レバノン危機の唯一の解決策は、中東で悪化している問題の原因にまでさかのぼる形で行動を起こすことであると述べるギュルは、「(行動を)効果的にするため、他国が従うことを望んでいる価値観に自身も合わせる真の指導力が必要だ」と述べた。



Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:3186 )