5800万のイラン人がカルシウム不足、1人当たりの牛乳消費は世界の半分 ハムシャフリー紙
2006年08月07日付 Hamshahri 紙

【社会部:マルヤム・ガッファーリー】5800万人のイラン人がカルシウム不足で、1人当たりの牛乳食品群の消費量も1日167グラムと世界標準の半分に止まる。ゆえに牛乳の栄養強化が優先課題とされるべきである。先進諸国では50年前から、食生活に強化牛乳を取り入れることの利が言われてきた。

本紙ハムシャフリーの報告によれば、最新の調査の結果、イランでは1日当たりの牛乳・乳製品群の平均消費量は167グラムである。しかし理想的な数字は1日240グラムである。

保健省栄養向上事務所は国内で牛乳の栄養強化を大々的に実施するにあたり、国民栄養強化委員会を通じてビタミンDが強化された牛乳の製造許可を発行し、カルシウムの吸収及び骨粗しょう防止におけるビタミンDの役割を強調している。

国内の最新の研究は、国内にビタミンD不足がかなり蔓延していること、住民の80%がビタミンD不足の地域まであることを示している。よって栄養強化はビタミンD不足解消計画の筆頭に来るべきである。

テヘラン医大内分泌腺・代謝研究センターで行われた検査結果によれば、ビタミンD不足の人々にビタミンD強化牛乳を2ヶ月飲ませたところ、ビタミンD不足が著しく解消し、ビタミンDがカルシウムの代謝と骨の維持に効果的なホルモンの役割を果たすことや、ビタミンD不足と多くの病気との関連性が示された。

コップ1杯の強化牛乳には通常の牛乳の2倍のカルシウムが含まれており、ビタミンD強化牛乳がさらに強化されれば、カルシウムの吸収量が著しく増す。先進諸国では各種ビタミンによる牛乳の栄養強化が行われて50年以上経つが、我が国では始まったばかりである。

牛乳は工場で脂肪分が基準化される過程で最終的にビタミンAとDが減ってしまうため、ビタミン群を再び添加して最初の水準に戻さねばならない。カルシウム、リン、鉄、ビタミンB、ビタミンDのような物質は添加が可能なため、牛乳や穀物などに添加される。

1人当たりの年間牛乳消費量が理想的な量(300リットル以上)に達すれば、体が必要とする上記栄養素が満たされ、牛乳の栄養強化の必要性も薄れてくる。保健省栄養向上事務所の最新の統計によれば、5800万人のイラン人がカルシウム不足であるが、農業省流通事務所もまた、イランにおける1人当たりの牛乳消費量を85キログラムと発表した。しかし世界でのそれは155キログラムである。

この報告によれば、我が国の乳製品はバラエティーに欠けている。先進諸国では牛乳とその加工品は100種類以上もあり、しかもカルシウムの吸収を損なうこともない。しかしイランでは牛乳の味わい方は非常に限られ、しかも添加物がカルシウムの吸収を低下させている。

この報告によれば、熱する過程で牛乳が発酵したり凝固したりする(牛乳が消費に適さなくなる外見上の目安)のを防ぐために重層を使用する家畜業者もある。また、牛乳の脂肪分を取り除いて別の脂肪分を混ぜたり、雑多な動物の乳を混ぜたり、乳清やでんぷんを加えたり、商店から返品された乳製品に新たに賞味期限を打って使用したりするような偽造が一部の工場で行われており、関係責任者による監視と検査が必要である。同様に、集荷、輸送、工場内移動のような生産プロセスで衛生面が守られているか、そして正しく配布・消費されているかを監視することが、規格外の非衛生的な牛乳に起因する多くの病気を予防することにつながっていく。


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( 翻訳者:吉村 かすみ )
( 記事ID:3213 )