家族へ悲報、どう伝えるべき?:殉職者の父急死で波紋ひろがる(Milliyet紙)
2006年08月09日付 Milliyet 紙

 シュルナクで任務に就いていた保安隊下仕官軍曹レヴェント・チェヴィキが殉職したという知らせを電話で受けた父イブラヒム・チェヴィキは、心臓発作を起こして亡くなってしまった。この事件は、殉職をどう伝えるべきかという問題を提起した。

■「案件は調査中」
 アンタリヤ保安隊連隊指揮官参謀大佐サリム・オルグネルは、殉職の知らせを家族へ電話で知らせたことを認めた。そして心肺機能不全の持病があった父の死の原因を作ったことについて、保安隊総本部が捜査を開始したと述べた。オルグネル大佐は「誰でも自分の行いの責任をとらなければ。この件は保安隊総本部によって調査される問題。現在調査中です」と言った。
 他に、ギュムシュハーネで殉職したヒュセイン・オズデミルの家族も、息子の殉職をテレビで知り、父親のフドゥル・オズデミルは倒れてしまった。

■捜査が始められた
 殉職した息子の葬儀がトカトで行われているのと同じころ、アンタリヤで行われたイブラヒム・チェヴィキの葬儀には、保安隊連隊指揮官参謀大佐サリム・オルグネルも参加した。オルグネル大佐は、殉職の知らせを家族へ電話で知らせ、心肺機能不全の持病があった父を死に至らしめた件について、保安隊総本部が調査を開始したことを明らかにした。
 オルグネルは「誰でも自分の行いの責任をとらなければ。この件は保安隊総本部によって調査される問題。現在調査中です」と言った。

 精神科医は「ありきたりな事柄のように」電話によって死亡の連絡をしたり、もしくはメディアを通じて知らされてしまうというあり方は誤りであると強調した。専門家は以下のように見解を示した。

セダト・オズカン教授(イスタンブル大学医学部精神科専攻教員):「病気により親しい人を失った者と、殉職のような形で親しい人を失った者との間では違いがある。突然の死による衝撃は、より悲劇的な反応として表出するものだ。家族の一員もしくは親しい人が伝えるのがより適切だ。つらさは分かち合ってこそ耐えられる。また、国家の治安責任者が、この死の原因やその意義も強調しつつ、殉職の知らせを伝えることが肝心だ。」

アイハン・カルヨンジュ助教授:「電話で連絡をするとは全くもって間違っている。この人たちは国家、母国にとって重要な仕事をしているのだ。悲報を伝えるためには、責任者である指揮官が自ら赴く。そして負傷、もしくは殉職した家族と知り合い、話し合う中で知らせるものだ。
 電話で知らせることはなんといっても失礼極まりない。電話で死を伝えうるのは、第三者に伝えるときだけだ。伝えに行く指揮官には、それなりの階級と人生経験が不可欠だ。伝える相手がどのような人物かを推し量って、尊重できる人物でなければならない。連絡を受ける人の健康に問題があれば、対応できる救命隊を準備しておく必要がある。」


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( 翻訳者:三澤 志乃富 )
( 記事ID:3223 )