イラク首相、イラク復興への協力をイランに呼びかけ ハムシャフリー紙
2006年09月13日付 Hamshahri 紙

2006年9月13日付ハムシャフリー紙

【政治部】ターラバーニー大統領、イブラーヒーム・ジャアファリー前首相、マフムード・マシュハダーニー国会議長といったイラク要人に続き、イラン・イラク間の関係の強化へ向けた方策を話し合うことを目的に、今回ヌーリー・マーリキー首相のイラン訪問が実現した。

 ヌーリー・マーリキー首相はテヘラン入りするや否や、イラン人投資家たちにイラク復興への協力を呼びかけた。

 マーレキー首相は昨日朝、マフムード・アフマディーネジャード大統領の招待で、閣僚やイラク国会議員らからなる訪問団の団長として、2日間の日程でテヘランを訪問し、空港のパヴィリオンでパルヴィーズ・ファッターフ・エネルギー相の歓迎を受けた。

 イラク首相は最初の予定として、マフムード・アフマディーネジャード大統領との会談に臨み、地域や世界の最重要問題、特にレバノンやイラクの問題について議論した。

 マーリキー首相はアフマディーネジャード大統領と会談後、「この会談で、イラクに対する大統領の思慮深く責任感溢れる考え方に接することができたことを嬉しく思う」と強調した。

 アフマディーネジャード大統領は、マーリキー首相及び同行団との会談で、イラクの現下の困難かつ複雑な状況に触れ、「信仰心が篤く、聡明で、自由な発想の責任者たちからなる新たな国民政府が政権に就いたことで、この困難な状況もやがて過ぎ去り、イラクと地域の国民が、安定と力強さを享受するイラクを目にすることになるものと、われわれは確信している」と語った。

 大統領はまた、イラクの安定は地域全体の安定であると強調した上で、「イラン・イスラーム共和国はイラクにおける治安と安定の樹立と、同国における強力な主権の確立のために、あらゆる措置を講ずる。なぜなら、イラクにおける治安と安定の樹立は、イラク国民と地域全体、及びイスラーム世界の利益につながるからだ」と述べた。

 ヌーリー・マーリキー首相は、イラクの安定のためにイラン政府関係者が払っている関心及び努力に感謝の意を表明するとともに、次のように強調した。「国民的和解の上に成り立ったイラク新政府は、問題の克服によって、憲法の原則と平等の理念に基づいた新たな国家を作るべく、努力している。そのためには、地域諸国、中でも地域でもっとも強力な国であるイラン・イスラーム共和国の支援と協力が必要である」。

 ヌーリー・マーリキー首相は、石油相、電力相、農業相、商業相、及び副首相・イラク国家安全保障補佐官らが最近テヘランを訪問したことについて、同国の新たな経済政策との関連であるとした上で、次のように付け加えた。「イラクは政治・経済分野、及び復興、特にエネルギーや水資源の分野での復興において、イラン・イスラーム共和国とのなお一層の関係拡大を望んでいる。この訪問でも、さらなる協力のための新たな覚書が、両国間で交わされた」。

 マーリキー首相と同行団は昨日、イマーム・ホメイニー廟を訪れ、献花して、イマームへの敬意を表した。

 ▼ アフマディーネジャード大統領とマーリキー首相の共同記者会見:イランの協力はすべて、イラクの治安の確立のため

 イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領とイラクのヌーリー・マーリキー新首相は、第一回目の協議を終えた後、共同記者会見に臨み、両国関係に関して、記者らの質問に答えた。

 アフマディーネジャード大統領は、イランはイラク政府及び議会を全面的に支持する旨強調した上で、「われわれは復興や経済の分野での自らの経験を、イラクの同胞に提供するつもりだ」と表明した。

 大統領はまた、貿易、開発、運輸、及びエネルギーの分野での経済関係強化・拡大に触れ、「両国は、これらの合意を完全かつ迅速に実行する決意である」と述べた。

 また、「イラク問題へのイランの介入に関してアメリカ政府関係者が行っている非難は、合意の実行を阻害する要因とはならないか」との質問に対し、イラク首相は「イラン政府関係者とは、これまで多くの合意を交わした。両国の協力の地平は極めて明瞭である」と述べた。

 マーリキー首相はさらに、イランはイラクにとって友好的かつ強力な隣国であるとした上で、「合意の実行を阻むような障害は存在しない。すべての合意が実行されるだろう。イラン側の寛大な態度はこれまでも目にしてきており、政治、治安、経済の分野での合意は、この訪問が実り豊かなものになることを示すものだ」とも述べた。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:3489 )