反抗教師達の勝利 -日本で国歌斉唱の強制は違憲と判決(Radikal紙)
2006年09月22日付 Radikal 紙

日本の自由民主党の党首に選ばれた安倍晋三氏は、保守派として知られ、近々引退する予定の小泉純一郎氏に代わって首相に就任する準備をすすめている。その一方で、帝国主義時代のシンボルとされる国旗の掲揚と国歌斉唱を指示した東京都の通達に反対する教師達の訴えが認められた。

東京地裁は401人の教師が起こした訴訟で、東京都の石原慎太郎知事と東京都教育委員会が2003年に示した通達が「思想の自由を侵害し、 国家を軍政時代に退行させるもの」であることを認め、都側の主張をしりぞける判決を下した。東京地裁は、精神的苦痛を与えたという理由で、教師一人につき3万円の賠償金支払いも命じた。都の通達は、通達に従わない教師を処罰の対象としていた。そのため、395人の教師が通達に従わなかったため処罰されている。


■天皇制を賞賛している

裁判長の難波孝一氏は、教師たちが国旗掲揚時に起立したり国歌斉唱したりすることは強制ではないと述べ、次のように続けた。「通達は憲法で保障されている思想の自由を侵害するもので、行き過ぎである。」

日の丸として知られている国旗と、天皇を賞賛するために書かれた国歌「君が代」は、第二次世界大戦での敗戦後、アメリカに強いられた受動的な新憲法によって禁止されたのだった。しかし1999年に右派政権が施行した法律で、改めて日の丸は国旗に、君が代は国歌に定められたのだ。君が代はもともと天皇を詠った和歌であり、1893年に初めて国歌として認められた。その歌詞は以下のとおり。「君が代は/千代に八千代に/細石の 巌となりて/苔の生すまで」


■「安倍新総裁への贈り物」

 今月末に任期満了をむかえる小泉首相は、東京地裁の判決について、「人間として国旗と国歌に敬意を表するのはあたりまえのこと。」と批判した。教師側の弁護士、澤藤統一郎氏は、次のように述べた。「安倍晋三氏が9月26日に政権を引き継ぎます。この判決は安部氏にぴったりの贈り物となるでしょう。」 一方で原告教師の永井栄俊氏は「この裁判には負けられなかった。敗訴していたら、戦前の教育制度に後戻りしていただろう。」と発言した。東京都教育委員会は、 判決内容について大変残念に思うとコメントを発表したが、石原都知事が控訴するかどうかはまだ明らかになってない。


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( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:3557 )