マシュハドで航空機事故が発生:60名以上が死亡 シャルグ紙
2006年09月02日付 Sharq 紙

2006年9月2日付シャルグ紙1面

【社会部:エラーヘ・ファラーハーニー、ベフナーム・パークザード】「突然、マシュハド空港の滑走路で、航空機が真っ二つになった。40名の搭乗者が機内から脱出した。乗客のうち100名以上が機内に取り残され、慌てて速やかに脱出を試みたが、突然航空機に火がつき、炎は瞬く間に燃え広がった。どす黒い煙がマシュハド空港上空を包み、乗客は炎の中で生きたまま焼かれた」。

 事故は昨日13時45分に、マシュハド空港で発生した。事故を起こしたイラン・エアツアーのツポレフ機は148名を乗せ、バンダル・アッバースからマシュハドに向かっているところであった。この事故の結果、乗客約80名が命を落とし、50名が救出された。同機はマシュハド空港に着陸する際、前輪のタイヤが破裂し、滑走路の脇の障害物に衝突、火災が発生した。数分後、救助隊・消火隊が事故現場に到着、治療センターへの怪我人の搬送と火災の鎮火作業を開始した。

 事故現場に居合わせたジャーナリストのレザーイー氏は、シャルグ紙に次のように語った。「この航空機は、昨日正午、2時間遅れでバンダル・アッバース空港を旅立った。上空で、操縦士及び副操縦士は、航空機に技術的な異常があることに気が付いた。13時45分、同機はマシュハド空港の滑走路に降り立ったが、着陸の際突然、前輪が航空機本体から脱落した。その時、操縦士、副操縦士、及び客室乗務員は同機から脱出した。数分後、同機は突然炎に包まれ、焼け焦げた遺体だけが残った」。

 事故後、マシュハド治安維持司令部危機対策本部が設置された。事故から数分後、消火隊が事故現場に到着し、鎮火作業にあたった。空港緊急救助隊もまた、負傷者らをマシュハドの治療センターに搬送した。事故に驚いた人々が、事故現場の周りに集まったが、関係者らにより現場から排除された。その後、事故現場の周りにはテープが張られ、人々の立ち入りが禁止された。

 親族を迎えに空港に来ていた遺族らの多くは取り乱し、我を忘れて泣き叫んでいた。この事故で12名の子供が命を落としたが、その多くが赤ん坊だった。また、手や足に火傷を負った負傷者らは、精神的なダメージが大きく、記者らの質問に答える状態になかった。

 ▼ 事故の原因

 警察緊急センター所長のアーリープール大佐は事故について、次のように語った。「バンダル・アッバースを出発したイラン・エアツアー所有のツポレフ機は、技術的トラブルのため、マシュハド空港に着陸する際、前輪のタイヤが破裂した。同機はその状態で、滑走路から逸れ、マシュハド・シャヒード・ハーシェミーネジャード空港の着陸滑走路左側にある障害物に激突、炎上した」。

 同大佐はまた、「救助隊は現場に到着し、救助活動を行った」とし、さらに「60名以上の遺体が、同機より発見された。若干名の乗客が同機を脱出し、負傷者への救援が始まった」と続けた。アーリープール大佐はまた、「初動の調査によると、この事故は前輪タイヤが破裂し、航空機が滑走路左側に逸脱、障害物に衝突したことによるものである」と述べた。

 〔後略〕

〔訳註:その後CNNによると、航空行政当局者は犠牲者数を29人と下方修正したという。また同報道によると、同当局者は「事故機の車輪が着陸の際破裂したとの報道は確認できない」とも語ったとのこと。参考:http://www.cnn.co.jp/world/CNN200609020003.html〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:3401 )