Fikret Bila コラム:野党バイカル党首:警察の組織改革には「ハラキリ」が必要
2007年02月10日付 Milliyet 紙

共和人民党(CHP)のデニズ・バイカル党首は、昨晩開かれた記者団との会食で自らの考えを明らかにした。話の主なテーマはやはりフラント・ディンク殺人事件とその後の事態の進展についてであった。バイカルは、フラント・ディンク殺人事件後に起こった事件が警察内の「宗教に基づいた」組織構造を明るみにしたと考えている。

■「ハラキリが必要」

バイカルCHP党首は、警察組織は再度、新たな認識に基づいて作り直されなければならないと言い、新たな組織の構築のため「トルコの腹にナイフを差し込んで“警察手術”を行う必要がある。警察はハラキリをして、健全な組織を築くためのチャンスを作り出さねばならない」と語った。

■イスタンブル署長の処遇

バイカルは、フラント・ディンク殺人事件後にとられた行政上の決定が「ダブルスタンダード」によるものだったと指摘した。トラブゾン警察署長が捜査なしに解任されたことを引き合いに出しながら、同じ手続きがなぜイスタンブル警察のジェラーレッティン・ジェッラーフ署長についてとられなかったのかということに対する疑問を口にした。(バイカルは)ジェッラーフについての調査・捜査は彼が任についている間はちゃんとした形で行われないだろうと考えており、次のような問いを投げ掛けた:「トラブゾン署長に対してしたことをなぜイスタンブル署長に対してしなかったのか?(当の)署長が任についているのに彼自身についてちゃんとした捜査などできるのだろうか?」。

■「非常に残念」

バイカルは、フラント・ディンク殺人事件をきっかけに、トルコで警察組織のMRI(磁気共鳴画像)を撮るチャンスが生まれたと述べ、「私は見識ある警察署長に就いてもらいたい」と話した。バイカルはイスタンブル警察の名前を挙げながら、「怠慢どころではない状態だ。イスタンブル警察は何度も警告を受けたのに、何もしなかったようだ。これはゆゆしき事態だ」という見解を示した。

(アクス)内務大臣が法的にみて総選挙の3カ月前に離職しなければならないことに言及したバイカルは、「結局辞めることになるが、今辞めさせることができなければ非常に残念に思う。内相は今辞めなければならない」と述べた。
バイカルCHP党首からみれば、一連のディンク事件が「深層国家」の仕業によるものというエルドアン首相の見方は「無駄話」に他ならない。バイカルは、深層国家(が原因とのエルドアン首相)の主張について、「深層国家の話は無駄な話であり、しゃべり好きの性から出たものだ」と話した。

■宗教的に解釈された警察

バイカルは、首相府のオメル・ディンチェル事務次官がトルコの共和国体制や国家体制、世俗主義を宗教的に解釈する立場をとっており、人材の任命もこの尺度に従って行っていると述べ、次のように続けた。
「首相府事務次官は、共和国体制や世俗主義、民族主義は宗教に照らし合わせて解釈すべきと主張している人物だ。これについて論文も書いた。人事登用もこの尺度に従って行っている。彼の言っていることはこれらが宗教により解釈される(べき)ということだ。そして今ご覧になっているだろう、宗教的に解釈された警察の姿を」。

■警察と軍警察

バイカルは、ディンク事件後、警察が軍警察に(事件の)責任があるように見せかけようと努力していたと考えている。この考えを次の言葉で説明している。
「私はいかなる時も軍警察が警察について何かを吹聴したり、警察をさらし者にしようとしたり、責めたりしたことを見たことがない。しかし警察は、軍警察についてこのようなことをする努力をしている。シェムディンリ事件然り、アタベイレル事件(※)然り、ディンク殺人事件然りだ。3つの事件いずれも同じ様相を呈している。まるで軍隊を困難な状態に陥れることを目指しているかのようだ。自らの任務を果たさない者が、果たしているものを責め立てている。
『通りでデモをしている人たちを警棒で打って連れて行ってくれ』、『誰かが人を殺したみたいだ』、『トルコに対してひどいことをしたようだ』、旗、ポスター、賛辞の言葉... この仕事に楽しいもつまらないもない(警察の仕事は本来粛々とやるものだ)」。


※アタベイレル事件:警察官や軍人をメンバーに含む暴力集団が、アンカラ郊外の家に爆弾などを隠し持っていた事件。
参考:http://www.radikal.com.tr/haber.php?haberno=192915(トルコ語)

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:10139 )