ハーメネイー最高指導者「シオニスト体制によるアル=アクサー・モスクへの侮辱行為にイスラーム諸国は行動を起こすべき」
2007年02月08日付 Iran 紙


【政治部】イスラーム革命最高指導者アーヤトッラー・ハーメネイー〔注1〕は昨日、パレスティナのイスラミック・ジハード〔注2〕事務局長との会談において、「イスラーム世界はシオニズム体制によるアル=アクサー・モスクへの侮辱行為〔注3〕に対して、真剣な対応を示さなければならない」と述べた。

〔注1:アーヤトッラーとは、高位のシーア派宗教指導者に対する尊称〕
〔注2:イスラミック・ジハードとは、イスラエルの殲滅とイスラーム国家の樹立を目指すパレスチナ武装勢力の一つ。ハマースと同様、イランと関係が深い〕
〔注3:イスラエルの考古学当局がエルサレムにあるアル=アクサー・モスク近辺で発掘調査をしていることを指す。アル=アクサー・モスクは、ウマイヤ朝時代にエルサレム旧市街の聖域ハラム・アッ=シャリーフに建てられたモスクで、同モスクの北側には預言者ムハンマドが昇天したとされる「岩のドーム」がある〕。

 ハーメネイー最高指導者はアル=アクサー・モスクの問題は宗教の問題であり、また全てのムスリムにとって共通の問題でもあるとし、イスラーム諸国の責任者はこの問題に対してきちんとした行動を示す必要があると強調した上で、以下のように加えた。「このような侮辱行為に対して、イスラーム世界はエルサレム不法占拠体制に〔このような事件を起こしたことを〕後悔させるような反応を示す必要がある。なぜならば、このような事件に対して沈黙することは、決して許されないからだ」。

 イスラーム革命最高指導者は、パレスティナ人とシオニストの間の争いがパレスティナ人同士の争いへと変化しているという混乱した状況に言及し、所属するグループの如何を問わず、パレスティナ人がこれらの衝突で殺されている現状に遺憾の意を表明しつつ、次のように指摘した。「パレスティナ人グループであれ、イスラーム諸国であれ、全ての者は、敵の陰謀が成功するようなことがないよう、そして内乱の火種が直ちに鎮まるよう努力しなければならない」。

 アーヤトッラー・ハーメネイーはシーア派とスンニ派が団結し、信仰を守り、神のご加護と約束への希望を持ち続けることが必要だと強調し、次のように加えた。「シオニスト体制に対するレバノンのヒズブッラーの勝利、パレスティナでのハマースの成功、そしてさまざまな分野におけるイラン・イスラーム共和国体制の進歩は、神の約束が実現した顕著な事例であり、ムスリムの希望と抵抗は日増しに強くなっている」。

 ハーメネイー最高指導者はまた、イスラーム世界の内部に混乱と対立を創り出そうとするアメリカとイスラエルの陰謀を指摘し、「敵の威嚇と誘惑に対して警戒を怠らず、努力と抵抗を続けることで、騒乱を引き起こさんとする陰謀を挫く必要がある」と指摘した。

 イスラーム革命最高指導者は、世界におけるイスラーム覚醒運動がもたらした価値ある成果を称えた上で、「唯一神信仰こそ、ムスリムの連帯と団結の根本的な要素である。我々は自らのイスラーム的義務、そしてイスラーム覚醒運動に必要とされるものを実践しなければならない」と付け加えた。

 アーヤトッラー・ハーメネイーは過去数年間と比較して、堅忍不抜の精神と革命的情熱がイランの人々、特に若者の間で日増しに大きくなってきているとし、「世界の人々は今年のバフマン月22日〔2月11日=革命記念日〕もまた、イラン人民の力強い精神、極めて高い革命的情熱を目撃するだろう」と強調した。

 この会見で、イスラミック・ジハードのラマダーン・アブドゥッラー事務局長は最新のパレスティナ情勢についてハーメネイー最高指導者に説明し、さらにイスラーム諸国間に宗教紛争を勃発させ、パレスティナ内部に内乱を惹き起こそうとする、イスラームの敵が仕組んだ計画について言及し、「イスラミック・ジハードはパレスティナ内における内部衝突の沈静化に向けて、全力を尽くしてきた。衝突を起こしている双方が一致して、この陰謀を一刻も早く挫くよう希望する」と語った。

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( 翻訳者:前川元 )
( 記事ID:10142 )