ハーメネイー師がパキスタン大統領、及びイラク・イスラーム革命最高評議会議長と会談:イマーム・ハーディー廟爆破の真犯人はアメリカ
2007年02月06日付 Iran 紙


【政治部】イスラーム革命最高指導者アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は昨日、パキスタンのムシャッラフ大統領と会談し、両国の文化的、歴史的、宗教的な共通性に触れ、相互関係の一層の拡大へ向けて、政治・経済分野における様々な可能性を用いることの必要性を強調した。

 革命最高指導者は、エネルギー問題を現在及び今後の世界の重要課題の一つであるとし、イランからインド亜大陸への天然ガス・パイプラインの建設計画に触れ、「イランは、天然ガス資源も豊富に有しており、我々はパキスタン国民をはじめとするムスリムの同胞に、イランの天然資源を提供する用意がある」と加えた。

 ハーメネイー閣下はまた、団結と一致がイスラーム世界で最も必要とされているとし、「イスラーム共同体(ウンマ)の敵は、ムスリムに分裂を生じさせることで利益を得ようとしている」と指摘した。

(中略)

● イラク・イスラーム革命最高評議会ハキーム師とハーメネイー師が会談

 ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者は、イラク・イスラーム革命最高評議会議長のアブドゥル・アズィーズ・ハキーム師との会談で、イラン・イラク両国の関係は非常に堅固であるとし、「この関係を保証するのは、両国の長きにわたる宗教的・文化的・歴史的なつながりであり、両国は長大な国境線で互いに接している。イランは常にイラクの領土保全と安全、進歩と発展・繁栄を願っている」と強調した。

 ハーメネイー師は、アメリカがこの強固な関係に亀裂を生じさせようとしていると指摘し、「イラク政府を支持することが、イスラーム共和国の基本的政策である。シーア派であれ、スンニー派であれ、はたまたクルド人、トルクメン人、アラブ人であれ、イラク国民は以前にも増して、警戒と団結、統一と連帯を守らなければならない」と加えた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はまた、「イラク国民と政府が団結と協力を強めれば、もはや占領者がイラクに駐留する口実は残されておらず、この国から出て行かねばならないだろう」と強調した。

 革命最高指導者は、シーア派・スンナ派を問わず、イラクの罪の無い一般市民が殺されていることに遺憾の意を表し、情勢不安に対処するためには、イラクの全てのグループ・党派がマーリキー政権を支持することが必要だと説いて、「イラクの占領者の存在が、同国の情勢不安の一因だ」と述べた。

 ハーメネイー閣下は、イラクにおけるマルジャ〔シーア派宗教指導者の最高権威=スィースターニー師のこと〕の役割を讃え、さらに〔昨年起きた〕不快な事件、すなわち偉大な二人のイマームが眠るサーマッラーの聖廟に対して行われた侮辱行為を記念する記念日〔*後注〕が近づいていることに触れた上で、「この悲しむべき出来事を風化させてはならない。この事件の真犯人はアメリカである。テロリストたちは米軍の目の前で、この侮辱的な犯罪行為を犯したからだ」と加えた。



〔*サーマッラーは、ナジャフ、カルバラー、カーゼマインとならぶシーア派四大聖地(アタバート)のひとつで、同市にある第10代イマーム・アリー・ハーディー廟が、2006年2月22日にスンニー派と見られるテロリストによって爆破された。同市には第10代イマーム・アリー・ハーディー廟の他、第11代イマーム・ハサン・アスカリー廟があり、また世の終末に再臨するとされている第12代イマームが最後に姿を隠したといわれる〕

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( 翻訳者:真塩和也 )
( 記事ID:10143 )