「道徳」問題を取り扱った監察役、人事異動となる
2007年02月12日付 Hurriyet 紙

カルス県国民教育局で初等教育監察役を務めるハイルッラー・アルマーアン氏は、「恋人を官舎に連れ込んでいる」という村人たちの苦情を受けて、スカーフを被っている女性教員のF.A.を電話で注意したため、職務から外された。

カルス県のセリム郡の管轄下にある全校生徒300人規模のゲリナラン村小学校には、10人の教職員がいる。そのひとりである教員F.A.が、週末恋人を官舎に連れ込んでいることは、すぐに周囲に広まった。他の2人の女性教員と共に官舎に住んでいる国語教員のF.A.のところに、夕方外が暗くなってからアイドゥン・ナンバーのバイクでカフカス大学大学院生物物理学科の院生であるM.Y.が来ていることが、何人かの村人たちの反感を買った。

このため村人たちや共同生活をしていた2人の女性教員は、恋人を連れ込むことはよくないことだとF.A.に忠告した。F.A.が忠告に耳を傾けないことに困った2人の女性教員は、噂から解放されるために官舎を離れセリム郡で家を借りた。

■ 陳情書:スカーフ着用を利用している

独身である国語教員F.A.の行為に対して、村人たちは「保護者一同」との署名入りで2006年11月10日にカルス県庁に陳情書を提出した。陳情書の内容は以下のようである:

「F.A.という教師は、学校の敷地内や国の宿舎でムラトという男性と日夜一緒にいます。村人たちの忠告を無視し、本来の職務をなすべき場所で、小学生の道徳的価値観を壊すような、また村人たちを怒らせる原因となるような不道徳な行為を行っています。この教師はスカーフを被っています。スカーフ着用が特別扱いになると考え、その状況を利用し、皆を自分の思うようにしようとしています。」

■ 結婚していないのなら、恋人と住むことはできない

ある教員が官舎に恋人を連れ込んでいるとの苦情に対し、カルスの教員保養施設にいた監察役のハイルッラー・アルマーアン氏は、担当地域であるゲリナラン村に電話し、フィリズ・ドアン校長と話した。ドアン校長に事実関係を確認し、次にF.A.に電話したアルマーアン氏は、恋人を連れ込んだことで村人が不快に思い、結婚していなければ宿舎で恋人と住んではいけない、という点を述べた。

教員F.A.は、注意の電話をかけてきた監察役アルマーアン氏を、「私生活に干渉し、婚約者を脅迫した」として(カルス県)国民教育局に陳情書を提出した。F.A.の婚約者であると主張するM.Y.も、同監察役に脅迫、侮辱されたと述べ、検察局に訴えた。カルス共和国検察局がM.Y.の訴えに対し「事実確認できず」との判断を下す一方で、国民教育局はF.A.の訴えを国民教育省に伝えた。

■ 教師は学生や村人の模範となるべきである

妻と共に3年間カルスで初等教育監察役として職務に就いていたアルマーアン氏は、まず、監察官に尋問され、その後国民教育省の承認を経て2007年1月23日に職務から外された。女性教員の「私生活に干渉した」との理由により、カルス県からエルズルム県に担任教諭として転任させられた同氏は、実施措置が取り消されるよう2007年1月26日にエルズルム地方行政裁判所に訴えでた。

アルマーアン氏は、地方行政裁判所に提出した(取り消し)申請状で以下のように述べた:
「社会や村また、学生に生活面でも模範となるべき教師F.A.を注意したことで非難されました。法の定めるところの任務を遂行した結果、初等教育監察役から外され、エルズルム県に担任教師として任命されたことは、法に反しています。担当当局は、身勝手で恣意的な判断を行っています。」

同件に関するMilliyet紙の記事
http://213.243.28.16/2007/02/12/son/sontur07.asp

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:10152 )