オルメルト首相訪土前にエルドアン首相がイスラエルに対し警告
2007年02月14日付 Zaman 紙

イスラエルの行っているエルサレムでの掘削作業が「聖地に害をなす」恐れがあると指摘される中、エルドアン首相はオルメルト首相訪問を前にしてイスラエルに次のように忠告した。「パレスチナ内の合意が達成されたこの期におよんで緊張を生じさせるべきでない。エルサレムで行うあらゆる行動にはムスリムの同意が絶対条件だ。」

エルドアン首相は、今日予定されている極めて重要なイスラエルのオルメルト首相訪土を前にして、エルサレムでの行為に関し強く警告を発した。エルドアン首相は、イスラエルのハラム・アッシャーリフ(神殿の丘、高貴なる聖地)での掘削作業着手に反発を示した。パレスチナでファタハとハマスが統一政府樹立の合意に達したこのタイミングで、掘削作業が着手されたことに注目。いかなるものもエルサレムで「既成事実(をつくってしまう)」政策は許されないと力説した首相は、イスラエルに対し挑発行為を控え、合意に従うべきと呼びかけた。首相はエルサレム旧市街地区で行われるあらゆる行動にはムスリムの承認が必要だとし、この問題に関して不快感をオルメルト首相にも伝えると話した。

首相は党会議で、イスラエルが糞門の橋が使用不能となったことを理由に始められた掘削作業に言及。首相はこのことがイスラム世界で怒りを招く原因であると指摘し、イスラエルが以前もこうした政策を行ったと述べた。1996年のトンネル工事や2000年のアリエル・シャロン首相(当時)がアル=アクサー・モスクに足を踏み入れようとしたことが危機を招いたことを想起させた。

イスラエル政府の新たな行動が、パレスチナで統一政府を樹立する段階で行われたことを「意味深長」と見なすエルドアン首相は、次のように話した。「緊張を高めるこの政策に対してイスラエル政府にはっきりと単刀直入に言いたい。ハラム・アッシャーリフは全世界のムスリムが最も神聖であるとみなす聖地のひとつだ。ハラム・アッシャーリフに対するいかなる政策もイスラム世界、全ムスリムの当然の反発に遭い、その逆鱗に触れるだろう。和平プロセスが実現する新たな機会の萌芽を感じたこのタイミングに、今回の件が起きたことに不快感を覚え、遺憾に思う。」

首相はエルサレムにおけるイスラムの宗教的な場所を保護する合意があることに言及し、「イスラエルはこの合意を遵守しなければならない。3大宗教の聖地であるエルサレムで、『既成事実(をつくってしまう)』政策を実施する権利は誰にもない、ありえない。」と語った。

■アル=アクサー・モスクのイマームがトルコに助力要請
イスラエルの掘削作業が原因となって崩壊の危険にさらされているアル=アクサー・モスク保護の期待がトルコによせられた。先日アル=アクサー・モスクのイマームらは会議を開きトルコに助力を求めることを決定した。パレスチナ親睦友好協会のムサ・ヒジャズィ会長は、トルコ・パレスチナ議員友好グループのヒュセイン・タンルヴェルディ会長に電話をかけ、イマームらの助力要請を伝えた。タンルヴェルディ会長はギュル外相と会談し、この件に関して必要な処置を行うと説明。「われわれはアル=アクサー・モスクの悲嘆と咽びに耳を傾けるべきだ」と語った。

アル=アクサー・モスクがあるハラム・アッシャーリフの糞門周辺でイスラエルが掘削作業をはじめた後、アル=アクサー・モスクのイマームらはこれまでに国内のいくつかの市民団体組織らと会合をもち、対策について検討した。会議の後にタンルヴェルディ会長に電話をかけたムスタファ・ヒジャズィ会長は、トルコ国会がこの件で行動を起こすことを望んだ。タンルヴェルディ会長は269人のメンバーが在籍するトルコ・パレスチナ議員友好グループがこの件に強い関心を抱いており、要求を政府担当者に伝えることを話した。タンルヴェルディ会長は、欠かさずチェックしてきたというアル=アクサー・モスクの状況を説明した。「アル=アクサー・モスク周辺に3千人以上の軍人がいる。誰もモスクに入れない。この件でトルコならびに全イスラム諸国が行うべきことがある」と語った。

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( 翻訳者:塚田真裕 )
( 記事ID:10173 )