Melih Arat コラム:移住の準備はお済みですか?
2007年02月17日付 Zaman 紙

様々な問題に対する手短な解決策についての提言・・・

臓器提供(推進)キャンペーンの成功は、トルコ国民が運転免許証、あるいは身分証明書に「私の臓器を移植に提供します」というメモを挟み込めるかどうかにかかっている。(キャンペーン成功の目安は)バス一台が横転し、30名が死亡した場合、そのうちの20名の身分証明書で臓器提供をする意思が明示されることだと言えよう。

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イスタンブルの交通問題の解決策について・・・

両岸を行き来する際に海上交通で対岸へ。あるいは片道を海上交通で・・・地下鉄よりはるかにお値打ちだ。例えば、バクルキョイからベシクタシュへどうやって行きますか?バクルキョイ発の海上バスに乗る。すると、イェニカプ、クムカプ、エミニョニュ、カラキョイ、カバタシュをドルムシュのように経由して、ついにベシクタシュに到着・・・。

カドゥキョイからカルタルへ行くのに海上バスに乗る。すると、モダ、カラムシュ、ジャッデボスタン、スアディイェ、ボスタンジュ、マルテペ、ジェヴィズリをドルムシュのように経由して、ついにカルタルに到着。

バスや自家用車に乗るかわりに、自転車に乗ってみる。ヨーロッパのあらゆる大都市には自転車移動のための特別なレーンが車道とは別にあるが、イスタンブルやイズミルにはこういった類の道路はないし、市の行政当局の自転車移動を対象とした振興策や施策はない。しかしながら、自転車移動はこんなに利点があるのですよ。①ガソリンを燃やさない。②スポーツクラブに行く必要もなしにスポーツができる。③カロリーを消費できる。④遠くまで行くと達成感を感じられる。かく言うこの文章の主は、赤い折りたたみ式自転車を持っています。自転車に乗り、船で対岸に渡り、自転車をたたんで地下鉄に乗り、バスに乗っています。この間、道で自転車をこいでいると、自動車、ミニバス、そして何台かのバスが私を轢こうとするのです。なぜなら、私は普通は道路に居るべき存在ではないのですから。

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概して、トルコのあらゆる問題は、人口が国土にかたよって分布し、かつイスタンブルに集中していることに起因している。ひったくり、窃盗、ストリートチルドレン、耐震性のない家屋、学校での大人数学級、病院での診察待ちの行列、ひいてはテロに至るまで、根本的な原因は、トルコの人口がかたよって分布してること、そして移住なのだ。

アマスヤはトルコで最も美しい都市のひとつで、ある場所から別の場所への移動は10分程度である。アフヨンも非常に美しい都市である。カスタモヌの散策、見学ポイントはちょうどイスタンブルと同じくらいある。イネギョルの自然に私たちは当然心躍らせるし、カフラマンマラシュの空気を感じることで私たちの心は当然洗われる。確かに、イスタンブル以外の都市では働き口は限られる。それと同時に、教育や福祉の可能性も極めて不十分だ。ゆえに、人々は西へ、特にイスタンブルへ移住するのである。まさに移住が、交通問題、ゲジェコンドゥ化、教育・福祉サービスがイスタンブルでさえ行き届かない状況、そしてその他の問題をもたらしているのである。

解決策は逆移住である。但し、だからといって、今日の今日、あなたの故郷の村へお戻りにならないように。あなた一人が戻ったところで意味はありません。大企業が本社をトルコの地方都市に移転させれば、そこで働く人々も移住するでしょう。そのような都市には私立学校が開校されるでしょうし、私立病院だって・・・。道路は整備され、飛行機だって降りるでしょう。

つまり、あなたの企業の本社をイスタンブルから、地図上のどこかお好みの都市へ移転させてください。もしそういった代償を支払う心積もりがないのなら、ひったくり、交通問題、そしてその他の問題については不平を洩らされませんように。

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( 翻訳者:長岡大輔 )
( 記事ID:10197 )