世界初・天然ガスをベースとした国産エンジンの生産ラインが今朝稼働へ
2007年02月27日付 Iran 紙

【経済部】本日大統領も見守る中、国産エンジンの生産ラインが稼働を開始する予定だ。

 本紙「イラン」の報道によると、国内技術者らの手によって製造される初めての国産エンジンは、天然ガスをベースとした、世界でもあまり例のないものであるという。

 《イラン・ホドロウ》社〔*ホドロウは「自動車」の意〕の代表取締役は、このことについて次のように語っている。「この技術は、燃費や馬力、騒音といった基準から見た場合、世界の高性能エンジンの中でも、3本の指に入るもので、《ユーロ4》の認定書を得ることにもすでに成功している。この技術によって、我が国は初めて国産エンジンを保有することになった」。

 マヌーチェフル・マンテギー代表取締役によると、国産車の最新モデル《サマンド》車の駆動力はフランスのプジョー社に依存しているという。しかし、今回イランはドイツ企業の協力の下、国内屈指の専門家らの支援で、天然ガスを利用するエンジンを製造する技術を世界に先駆けて獲得したとのことである。

 これまで《国産エンジン》を保有してこなかったイランにとって、この技術の獲得は、自動車産業が掲げてきた大目標を前進させることにおいて、極めて重要な一歩である。

 ある自動車産業の専門家は、このことについて本紙記者に次のように語った。「これまでガソリンをベースとした〔ガソリンと天然ガスの〕ハイブリッドカーでは、馬力が落ち駆動力が限られるため、自動車の所有者は天然ガスを用いることには消極的であった」。

 この専門家によると、天然ガスをベースとした今回の国産エンジンは、馬力の低下という問題が完全に解決されており、駆動力はガソリンをベースとしたエンジンに引けを取らないものとなっているという。天然ガスをベースとしたこのエンジンは、ときにガソリン車よりも大きな馬力を有することもあり、《圧縮比》もガソリンエンジンより高いとされる。

 専門的な研究によると、〔イランが開発した〕天然ガス・エンジン技術ではオクタン値が高く、このような特徴によって、自動車の馬力をガソリン・エンジンに比べても、目を見張るほど高めることができるのだという。これまでは自動車を天然ガス化することは必要に迫られたものであったが、技術的な利点を備えた新たな技術によって、自動車の天然ガス化に対するインセンティヴはさらに大きくなることが予想される。

 《イラン・ホドロウ》社代表取締役によると、《サマンド》車が天然ガスをベースとしたエンジンを装備した最初の自動車になる予定だとのことである。マンテギー代表取締役はこのことについて、「イラン国産エンジンには1700ccの自然吸気と、1700ccのターボチャージャー、そして1400ccの自然吸気エンジンがあり、今後大量生産へと移行する予定だ」と語る。同氏はさらに、「来年には国産エンジンの主要部品の70パーセントが国内生産され、これらの部品の国外輸出の可能性も開かれるだろう」と述べている。

 同代表取締役は、今後イランの自動車産業は、エンジンの生産に関して諸外国にロイヤリティを支払う必要がなくなり、さらにイランの部品製造業者自身が、イランが保有する国産エンジンの部品生産技術の向上過程に参加する可能性も開かれるだろうと指摘している。

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( 翻訳者:緒方萌 )
( 記事ID:10315 )