トルコの離婚訴訟、女性が主導権
2007年03月04日付 Radikal 紙

 暴力を理由とした離婚訴訟が増加している。女性が訴え出た訴訟の大部分は離婚の審判が下されるが、男性が訴え出た訴訟の多くは棄却されている。

トルコ大国民議会で設けられた校内暴力調査委員会の調査範囲は、トルコの離婚率とその原因にまで及んでいる。同委員会に情報を提供したアンカラ第六家庭裁判所のトゥルグン・サカリヤ判事は、提訴された訴訟を調べ、離婚率とその原因を説明した。

サカリヤ判事が明らかしたところによれば、夫の暴力が原因で提訴された訴訟は、以前より増加している。たいていの場合、「インテリ」層は協議離婚で、離婚原因に(夫婦間の)性格の不一致を挙げており、裁判官もそれ以上問うことはない。サカリヤ判事が調査した訴訟から確認されたことは以下の通り。

訴訟は最終手段:
離婚訴訟は日に日に増加している。訴訟数は毎年、前年以上だ。たいていは離婚の審判が下されている。これは、トルコ社会において、とりわけ女性に関しては、限界まで達しない限り訴訟にまでならないからである。しかし、男性の場合にはこの限りではない。

女性が望めば:
女性からの離婚請求は、さらに増加しており、女性が訴え出た訴訟の少なくとも80パーセントが離婚の審判を受けている。男性が訴え出た訴訟の、おそらく半分以上は、却下されているが。

離婚の原因:
家庭内暴力、男性側の裏切り、侮辱、経済状況によって、双方が精神的に傷つく。まさに、コップがいっぱいになり、そこに水滴を落とせば、水があふれるように、ほんとうに些細なことが家庭内の喧嘩を引き起こすのだ。たいていは、喧嘩の応酬と男性側の暴力である。

離婚理由に暴力が増加:
暴力を理由とする訴訟件数は、日を追うごとに増えている。私が調査した訴訟では、暴力を理由とする訴訟は、2003年は420件、2004年は887件、2005年は623年、2006年は804件である。但し、極度の性格の不一致を理由に提訴した人は、その後、暴力が原因であったと告げることがしばしばあるが、その数はここには含まれていない。初めは当たり障りのない訴状で訴訟が起こされ、その後、(夫婦間)不一致とは暴力であったのがわかるのである。

侮辱も多い:
極度の性格の不一致を理由に起こされた訴訟の原因は、暴力だけではなく、侮辱にもある。トルコ社会では罵りはよくあることだ。道を歩いていれば分かるだろう。連れ合いが自分を罵ったと考えてみよう。これが、喧嘩が起こる要因のひとつだ。

インテリ層は、協議離婚:
インテリ層は、本当に意識の高い人であれば、協議による離婚を行う。彼らが離婚を決めるとき、我々にはその本当の理由を知ることはできない。実際に尋ねないし、我々にとって、協議離婚では、「一緒にやっていけない」という発言があれば十分である。この点に関しては双方が合意できたのだから。普通、インテリ層では協議離婚がかなり多い。

男性は心理療法を望まない:
審理中、当事者に「精神分析医に諮りましょうか?どう思いますか?ご希望なら、お待ちください」と私が言うと、たいてい女性たちは積極的に利用するが、男性たちは『NO』という反応をしめす。

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( 翻訳者:松岡聡美 )
( 記事ID:10316 )