キプロスを隔てるロクマジュ・バリケード、南キプロス(ギリシャ系)側からも撤去-EUの反応は「前向きな措置」
2007年03月10日付 Milliyet 紙

南キプロス(キプロス共和国)によるロクマジュ・バリケードの撤去は、良い意思のアピールというより、(キプロス共和国の)タソス・パパドプロス政権の任期切れを前に、面と向かってかけていたプレッシャーのレヴェルを軽減しようとする努力に基づくものである。「現状維持者」とのレッテルを貼られることから逃れようとする南キプロスが取ったこの措置が、欧州委員会と(欧州理事会の2007年前期)議長国であるドイツが北キプロス・トルコ共和国(KKTC)を喜ばせるメッセージを出した時期と重なったことに、関心が集まっている。

南キプロス(ギリシャ系)の措置に対するEUの反応は次の通りである。
オッリ・レーン欧州委員会拡大担当委員は、「決断を喜ばしく受け止めています。関係者すべては、この勇気ある決断と、より以前になされた陸橋を撤去するという北キプロス(トルコ系)の決定(訳註1)を、あせることなく活用して、レドラ通りの通行が活発に再開されるような措置をまず取るように、私は呼びかけます」と述べた。

欧州議会の社会主義グループは、「この種の前向きな姿勢と行動は、EUの解決課題である北キプロスとの直接貿易、および北キプロスへの財政援助といった問題における状況改善にとって、手助けとなります」と述べた。

レネ・バン・デア・リンデン欧州評議会・議員会議(AKPM)議長は、「パパドプロス大統領の決定は、レフコシャ版「ベルリンの壁(訳註2)」を撤去して、信頼のおける環境作りに一役買っています。バリケードの撤去は、レフコシャの住民にとって実質的な貢献となるでしょう」と述べた。

訳註1:北キプロス(トルコ系)側からは2005年11月にバリケードが撤去、その後2005年12月にトルコ共和国が費用を折半し設置された陸橋も、北キプロスの意向により2007年1月に撤去されている。
訳註2:この出来事を「ベルリンの壁の崩壊ほど重要」と評価するギリシャ系住民の発言を踏まえている。
(参照記事:2007年03月10日付 Hürriyet紙 Önce Türk askeri çekilsin)
http://www.hurriyet.com.tr/dunya/6097764.asp?gid=51 (トルコ語)

【関連記事】
2007年01月09日付 Milliyet紙 北キプロスでロクマジュ陸橋の撤去、今日から
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/newsdata/News200719_4313.html

2007年01月15日付 Radikal紙 トルコ国軍の統制を北キプロス自身がもっとも望んでいない-ムスタファ・アクンジュとのインタビュー
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/newsdata/News2007115_4361.html

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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:10369 )