病院長の人選に職員の服装・・・保健部門にも公正発展党の足跡
2007年03月15日付 Cumhuriyet 紙

多くの病院の院長に、公正発展党(AKP)に近い人物が登用された。(病院などの)保健施設でイスラーム風スカーフ姿で働く人の数が大幅に増えた。AKP政権に伴い、保健施設の運営も宗教中心的な考え方に委ねられた。

イスタンブルでは、まず法的に認められていないにもかかわらず歯科医であるエルマン・トゥンジェル教授が県保健局長に任命された。しかしトゥンジェルが2005年1月4日に辞職すると、後任にメフメト・バカル博士が登用された。バカルはハセキ病院で勤務していた際にイスラーム風スカーフをかぶって働く人々を擁護したため、「任務の遂行において言語、人種、性別、政治思想、哲学的信条、宗教および宗派による区別を行った」罪が確定し、県懲罰委員会により第657号国家公務員法の第125条D-1項に従って月給の4分の1を減俸する処分を受けていた。

イスタンブルでは、大病院をはじめとして多くの病院の院長がAKPの支持者に取って代わられた。AKPが病院でも人材登用を始めたことで、イスラーム風スカーフをかぶって仕事をする人の数が最も目立つようになったハセキ教育研究病院は、この話題でたびたび名前の取りざたされる病院の1つとなった。

■理由:適当な人物が見つからなかった

もう1つの問題は、「宗教教団の病院」としても知られているベズミ・アーレム財団グレバ教育研究病院(財団グレバ病院)の院長任命に関するものとなった。24人の医科長のいる財団グレバ病院へは、法的な要件に従ってこの医科長の中から1人が院長として任命されなければならないにもかかわらず、適当な資質を持った人物が見つからなかったという理由により、2000年にイスラーム風スカーフを着用した医師に肯定的な評価を与えた専門医のシェネル・イェディユルドゥズが「特命院長」として登用された。サリフ・コチャル博士が院長を務めるエセンレル・バシャクシェヒル国立病院は、イスラーム風スカーフをかぶったスタッフで注目を集める病院となった。

■院長に大なた

完全に(自らの意に沿った)人材登用を果たせなかったAKPは、2005年10月に出した法案により院長が診察室で診療に当たることを禁止した。この法律により、イスタンブルで28人、アンカラで2人、ブルサで4人の院長が辞職した。その後任にはやはりAKPの支持者が任用された。
AKPが政権に就いて以来、イスラーム風スカーフを着用して働く人の数が地方自治体同様、病院でも大幅に増えた。病院や地方自治体の幹部は、「我が国の国民の信仰に敬意を払わなければならない。この服装は将来、国中で見られるようになるだろう」と言っている。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:10413 )