チャハール・シャンベ・スーリーとは何か?
2007年03月13日付 Hamshahri 紙

 イラン人の年間行事の一つに、チャハール・シャンベ・スーリー、もしくは、チャール・シャンベ・スーリーというものがある。イラン人たちは、太陽暦の年の最後の火曜日に、火を焚いてその上を飛び越えることにより、新年ノウルーズを迎える。

 チャハール・シャンベ・スーリーは、ノウルーズを迎える前に行われる春の祝宴である。人々はこの日に、悪と不幸を追い払い、願いを叶えるために、この行事を行うが、この行事のルーツは何世紀前にも遡る。

 チャハール・シャンベ・スーリーの行事は、古代のイラン人たちの行事に由来するものであり、それはイラン人たち、そして別の形態をとりながら、その他のアーリア人の末裔の間で、いまだに命脈を保っている。チャハール・シャンベ・スーリーの最も重要な要素の一つは、灌木を燃やすことである。

 イランでは、日没前に、各々の家族が事前に準備してあった灌木を、屋根や家の中庭の地面の上、または道端に積み重ねて、日没で空が薄暗くなるのと同時に、老若男女が輪になって集まり、灌木に火をつけるのが慣わしとなっている。

 この時に、大人から子供まで誰もが、三回焚き火の上を飛び越える。それは病気や悲哀、不幸から生まれる弱さや《黄色》〔病気の象徴〕を祓い清め、健康や《赤色》〔美の象徴、チャハール・シャンベ・スーリーの《スーリー》とは《赤》の意〕、喜びを自分の物にするためである。人々は、火の上を飛び越えながら、次のような歌を歌う。

 私の黄色はお前に、お前の赤色は私に
 悲しみよ去れ、喜びよ来い、不幸よ去れ、運よ来い
 さぁ火曜の夜よ、我が願いを叶え給え

 チャハール・シャンベ・スーリーの焚き火で生じた灰は縁起が悪いとされる。なぜなら、人々は、火の上を飛び越える際に、自らの《黄色》と病気を火に与え、代わりに火の《赤色》と新鮮さを、自らに取り込むからだ。“私の黄色はお前に、お前の赤色は私に”の歌の通りである。

 どの家も、灰をちり取りで集め、家の外に持って行き、風に飛ばされるよう交差点に捨てたり、水に流されるよう川に流したりする。

 イラン人たちは、火を焚いたり灌木等を燃やしたりすることにより、家の空間を有害な存在から清め、不潔で不浄なる悪魔を生活環境から遠ざけると考えているのである。

 イラン人が様々な機会に催してきたあらゆる行事——その一部は依然としてこの国の文化として命脈を保っている——は、我々の祖先の生き方、道徳、そして知性と混ざり合っている。そしてそれらの行事すべてには、神への信仰、生活への希望、アフリーマン(悪魔)たちとの戦いなどのテーマが、様々な象徴や表現、儀式といったかたちで含まれているのである。

 我々は今日、慣習や社会の倫理に相反するような暴力的振る舞いが、チャハール・シャンベ・スーリーの名の下で行われているのを目にしているが、このような行為はいかなる行事にも、本来存在しないものなのだ。

 〔後略〕

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( 翻訳者:永井雅彦 )
( 記事ID:10430 )