ソマリアの首都でイスラーム主義勢力とエチオピア軍の衝突つづく
2007年03月31日付 Al-Nahar 紙

■ モガデシオでエチオピア軍ヘリコプター撃墜
■ 激戦で死者46人

2007年03月31日付アル=ナハール紙(レバノン)アラブ・国際面

【AFP、ロイター】

 エチオピア軍がイスラーム法廷連合の戦闘員に対して大規模な攻撃を開始して2日目に入った[ソマリアの首都]モガデシオで昨日、反乱勢力がヘリコプター1機を撃墜した。また戦闘で少なくとも46人の死者が出た。

 イスラーム主義勢力は3ヶ月前にモガデシオとソマリア中部および南部から追放されたが、エチオピア軍を中心とする外国軍部隊に対して報復を行うと警告していた。

 複数の消息筋によればエチオピア軍のMi24型ヘリコプター1機がモガデシオ国際空港付近でロケット弾の攻撃を受けて破壊され、黒煙が立ちのぼった。

 空港のソマリア治安当局者によれば「ヘリコプターは破壊され、生存者はいない」とのことである。搭乗員数については明らかにされていないが、この機種の乗組員は通常3人である。

 モガデシオ駐在のエチオピア当局者は、「我が軍のヘリコプター1機が破壊された。調査が終了しだい報告する」と述べた。

 いっぽうエチオピア軍は29日以降、モガデシオにおいて陸軍と空軍による大規模な軍事作戦を展開し、首都の特に北部の各地区の支配権を反乱勢力から奪還することを目指している。

 目撃情報や消息筋によれば戦闘ではエチオピア軍兵士7人を含む46人以上が死亡した。この数にはヘリコプターの撃墜による死者数は含まれていない。医療筋によれば昨日[30日]砲撃で8人が死亡し、一昨夜[29日]には迫撃砲弾で民間人5人が死亡、11人が負傷して病院に運ばれたのち死亡した。

 今回の戦闘は、昨年末にイスラーム法廷連合が敗北して以来モガデシオでは最も激しい戦闘である。

 専門家らの見るところによれば、政府およびエチオピア軍を攻撃している反乱勢力は、イスラーム主義勢力の民兵や内戦指導者、伝統的指導者らの勢力からなる不統一な連合体だという。

 今年初めからモガデシオを揺るがしている武力衝突でこれまでに合計150人が死亡しており、国連の統計によると2月以降5万7千人の人々がモガデシオから避難している。

 またエチオピアは、イスラーム主義勢力が自国への脅威となっているとして2006年末から公式にソマリア情勢に介入している。

■ 国連

 [ケニアの首都]ナイロピでは国連のフランソワ・フォール特使(ソマリア問題担当)がモガデシオでの停戦を呼びかけ、「(戦闘による)犠牲者の大部分を民間人が占めていること」に遺憾の意を表明するとともに、エチオピア軍の攻撃について「モガデシオにおける武装解除の方法として軍事力は最善のものではないと思う」と述べた。

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( 翻訳者:森晋太郎 )
( 記事ID:10545 )