Fikret Bila コラム:依然解けないエルドアンの大統領選「立候補パズル」
2007年04月05日付 Milliyet 紙

大統領職のための立候補の届け出は4月16日に始まって4月26日に終わる。届け出期間の開始まで間近に迫ったにもかかわらず、エルドアン首相が立候補するか否かは不明だ。エルドアンは、立候補に関して態度をほのめかしていない。4月15日まで公正発展党(AKP)としてこの件で何も発表しないということを以前に通知していた。

「立候補パズル」は続いている。エルドアンの発言を解釈しながら立候補するかどうかの推測が行われている。(だが)今日時点で候補に「なる」、あるいは「ならない」という判断に達することは、誤りを導きかねない。

■「最も役立てる職務」とは?

エルドアン首相は、大統領職にかかわる最新の発言を、(シリアの)アレッポに向かう際に新聞記者の質問に答える形で行った。エルドアンは、「我が国に対して私が最も役に立てるであろう職務(に就くこと)を選ぶだろう」と述べ、次のように続けた:「我が国が危機的な状況を引き起こしてはならない。(危機は)各市場に影響を及ぼす。我々にとって最も重要なのは経済状態であり、これを決して動揺させてはならない。民主主義もまた非常に重要な問題である。我々の組織の活動領域での調査を(行わせ)終わらせた。一部の市民社会組織とも意見の交換をしている」。

首相のこの言葉は、立候補しないかもしれないと解釈された。「最も役立てる職務を選ぶ」という表現が、エルドアンに首相を続けさせたがっている勢力によってこのように解釈された。候補になった場合「緊張」が生じると主張する立場からもまた、首相の発言は立候補しないだろうと受け止められた。

首相は立候補問題を「知らんぷり」作戦で切り抜けている。エルドアンが立候補の件で明確な態度表明をしないため、AKP内で立候補の可能性のある他の人物も「沈黙」を選んでいる。エルドアンが決断せずして、他の人物が候補になるチャンスはない。世論同様、AKPの国会議員もまた首相(の立候補)を期待している。世論は大統領候補について「ナツシロギクの葉っぱちぎりの占い」にいそしんでいる。

■はっきりするのはいつ?

エルドアン首相の決断のために、さまざまな期日が設けられている。国家安全保障評議会(MGK)が召集される4月10日以前に発表することは不可能だ。AKPの執行部は4月18日に会合を開く。この会合は果たして首相が決断する会合になるのだろうか?この会合で首相は、間違いなく党執行部の意見を耳にする。しかし数日後にはもう(立候補締め切りの)4月23日だ。エルドアンは、4月23日(の独立記念日)の祝賀が過ぎるのを待っているのかもしれない。このようにして、立候補の締め切り日の間近までエルドアンが候補になるのか否かが依然分からないままである可能性もある。

エルドアン首相のとった作戦は、故トゥルグト・オザル大統領のものに似ている。彼もまた最後の瞬間まで態度を示さなかった。スレイマン・デミレル(前大統領)とアフメト・ネジュデト・セゼル(現大統領)のときは、立候補前に論争が起きたが、問題はこれほど長引かなかった。

エルドアン首相の「知らんぷり」作戦は、彼がチャンカヤに上る(=大統領になる)ことを考えていることを示している。こうした意図がなければ、問題を「パズル」に変えはしなかっただろう。最後の最後まで情勢を探り続けるものと思われている。首相の「合意による候補者の擁立」の呼び掛けは、「AKPの中での合意」と受け止められていると言える。これを差し置いて、市民社会組織の示す意見がエルドアン首相の決断に影響すると考えるのは現実的でない。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:10573 )