ここは博物館、用のないものは… ;トプカプ宮殿博物館館長、入場制限を提案
2007年04月09日付 Zaman 紙

トプカプ宮殿博物館館長イルベル・オルタイル教授は先日、来館者への入場制限を提案した。それに対し、博物館が混雑することに不平をもらす他の博物館経営者から賛成の声が上がった。オルタイル教授は、世界中の多くの博物館で来館者数を減らしている傾向を踏まえ、トプカプ宮殿博物館でも同様の措置が必要であると述べた。多い時には一度に1万5千人が来場し混雑しており、何日か前には「聖遺物の間」の陶器の花瓶が割れたことを明らかにしたオルタイル教授は、「この人混みはどうしようもありません。博物館について何も知らないのに、ただ『話のネタになる』と来館する人たちの入場を制限すべきです。」と述べた。

イルベル・オルタイル教授の提案を支持するアヤソフィア博物館館長ムスタファ・セファカヤ氏は、特に学生団体が予習をせずに博物館を見学することに不平をこぼしている。教師の努力が足りないと主張するセファカヤ教授は、この件で国民教育省へ嘆願書を提出し、秩序だった見学が行われるよう要求するつもりである。

ピカソ展やロディン展で来館者の混雑に悩んだサクップ・サバンジュ美術館館長ナザン・オルチェル氏は、これらの問題が、トプカプやアヤソフィアのような博物館に限られた問題であること、展示場に多くの人が同時に入ることで問題が発生する恐れがあること、しかし、作品を保護するのと同時に作品を共有することも重要であると述べている。「イルベル・オルタイル教授の主張もよく分かりますが、これは二面性をもった問題です。来館者の数は、博物館の成功度を表す基準の1つでもあるからです。」と述べるオルチェル館長は、来館者が作品に傷をつけずに博物館を見学することも可能であると考えている。

来館者が年平均150万人、夏季には一日8000~1万人にもなるコンヤ・メヴラーナ博物館でも、混雑の解消策を探している。博物館入口の混雑を、回転出入口を設置することで解決し、裏庭の修復作業により前庭の混雑を緩和させたコンヤ・メヴラーナ博物館は、特別に開放する灯明祭時に1万5千人~2万人を受け入れる。来場者に「すみませんが、本日はご入場いただけません。」と門前払いするわけにはいかないと述べる博物館責任者たちは、団体の来館者に順序よく回ってもらうことに加え、夏季には開館時間を2時間延長し、十分なスタッフを確保できれば、特別な日には夜11時まで開館する計画を立てている。

博物館の本来の任務は、博物館それ自体とコレクションを紹介する点にあると述べるイスタンブル・トルコイスラム作品博物館館長マフムート・エルオール・クルチ氏は、来館者の数に不平を言うのではなく、代案を出すべきだという。

■イスタンブル・トルコイスラム作品博物館館長マフムート・エルオール・クルチ氏
「トプカプ宮殿博物館のような貴重な歴史的作品を所蔵している博物館では、館内の何ヶ所かを予約制にすることも可能です。各団体にガイドをつけるのもよいかもしれません。文化省の政策でこの問題は解決されます。しかし一方で、来館者を増やしたい博物館もあります。すべての博物館にこの政策が適応されるべきではありません。」

■アヤソフィア博物館館長ムスタファ・セファカヤ氏
「博物館は特に夏季にこのような問題にぶち当たります。学生団体を誘導するのは非常に困難です。他のツアー団体にも同様のことが言えます。ガイドにもっと自覚を持ってもらうことが必要です。来館者の大部分が、作品の歴史を充分に理解しないまま帰ってしまいます。混雑が問題となっている博物館では、来館者の誘導がとても重要です。」

■サクップ・サバンジュ美術館館長ナザン・オルチェル氏
「来館者の混雑が見られる博物館では、来館者の出入りを十分に管理すべきです。館内の湿度調整も非常に重要です。我々もピカソ展開催時にこのような対処をしました。来館してもらうのは嬉しいことです。しかし、作品をよい状態で保存することは何よりも大切です。この2つの間で妥協点を見つけるべきです。」

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:10608 )