エルドアン首相、クルド地域政府バルザーニ氏の発言に強い不快感
2007年04月10日付 Milliyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、北イラクのクルド地域政府代表マスード・バルザーニが「トルコがキルクーク問題に干渉するなら、我々もディヤルバクルや、トルコの他の都市の問題に干渉する」と述べた発言に激しく反発し、「度がすぎている。この報いはひどいものとなろう」と述べた。

エルドアン首相は、昨日(9日)、計84の学校の開校式がまとめて行われた国民教育省の会議場を去る際、この件に関する質問に答えた。アラブ・サミットのために先に訪れたリヤドでイラク大統領ジャラール・タラバーニーと会談した際に、「メディアを通じて話し合うことがなければ、その方が良い」と述べたことを喚起した同首相は、「その結果がこれだ、約束を守れなかったし、これからもそうだろう」と語った。

■ 「押しつぶされよう」

エルドアン首相は、「だが私は次のことを勧めたい。実現できないようなことは言わないように」と述べ、次のように続けた。

「自分たちの住む場所や事情をよく確かめてみるべきである。あとであの発言に押しつぶされよう、我が国と国境を接する北イラクは先の発言で非常に深刻な間違いを犯しているのである。そしてその報いは彼らにとって非常にひどいものとなろう。我々はもちろん大国である。古い歴史をもつ国である。そして北イラクはおろか、バグダッドに至るまでいかなる歴史を経てきたのか、全て歴史の知るところである。したがってあのような発言をする際には、よく注意を払うべきだ。」

■ 「自派を充足させている」

「バルザーニ代表はここに残念なことに、限度を踏み越えたのだ。度を越したのだ。あの発言でもし自派を充足させているのであれば、事情はわからない。しかし我が国にとって知ったことではない。あの発言に返答せねばならない。我々がいかに応えるかに注目しておけばよかろう。」

外務大臣アブドゥッラー・ギュルは、バルザーニ代表の発言への質問に対し、「いずれわかるでしょう」と答えた。同じ式典に参加した元国防大臣サバハッティン・チャクマクオールは、「この発言は、夢想家のものだ。我が国家、国民、国力を考慮に入れれば、この発言が何ら意味を持たないのをおわかりでしょう」と述べた。

■国務大臣:ひどい報い

国務大臣キュルシャド・トゥズメンも、「機械部門目録作業」と関わる記者会見の際に向けられた質問に対して、「我が国の援助の手は、とても暖かく、力強く、心のこもった、誠意あるものである。(逆に)援助の手とは異なる報いを受ける者たちにとっては、とてもひどいものである。決して試してはならない。2日間で9人の殉職者を出した状況では、誰であれ我が国を自己の内政に利用しないように」と述べた。トゥズメン大臣は、祖国党党首エルカン・ムムジュの「国境のハブルの通関を3日間閉鎖する」との提案に、「我が国は、時が来れば勘案して必要な措置を講じる」と説明した。

■ タラバーニー「憂慮する」

クルド地域政府代表マスード・バルザーニがトルコに向けた脅しに対し、トルコ政府が激しく反発した後、イラク大統領ジャラール・タラバーニーは、昨日の晩エルドアン首相に連絡をとった。バルザーニ発言を憂慮しているとしたタラバーニー大統領は、同代表と接触したと述べた。また、「トルコと良い関係を保っていきたい。共同でテロ組織と戦う所存だ」と述べた。

エルドアン首相もタラバーニー大統領へ、リヤドでおこなった会談の中で「トルコに敵対する者たちは、我々にとっても敵対者だ」という大統領自身の発言を喚起した。これに対して同大統領は、「トルコに向けたテロ活動に反対であり、テロ組織に対して出来る限りのことをするだろう」と答えた。エルドアン首相が「我々が何をしようとも、それより先に何もしないように」と述べたのに応えて、タラバーニー大統領は「共同でテロ組織と戦う所存だ」と口にした。





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( 翻訳者:小野寺香織 )
( 記事ID:10615 )