トルコを分割し分裂させようと望むのは、ＥＵ、米国、バルザーニ（イラクのクルド地域政府代表）などの外部勢力…。ヤシャル・ビュユクアヌト参謀総長が一昨日(12日)の記者会見で言及したこの問題を、昨日の私のコラムではとても手短に解説をおこなった。

ビュユクアヌト大将のこうした見解を基づいて、(私なりに)いくつかの問答を要約的に展開してみよう。

(1)トルコ共和国の政治が当初から正しかったのであれば、例えばこの国で29のクルド反乱は発生したでしょうか？

そうは思いません。

(2)トルコ共和国の８０余年の政治が正しかったのであれば、我々はいまだに分割、分裂について語っていたでしょうか？

そうは思いません。

(3)トルコ共和国の８０余年の歴史において、民主主義を定着させ、法の優越性を実現し、食に預かれ職に就けるといった問題を解決して、人間が人間らしく生きられる水準にまで高めていたのであれば、今日「外部勢力は物語を(描き)」続けていたでしょうか？

そうは思いません。

(4)ええと、８０余年の共和国の歴史において、すべてが間違っていたということでしょうか？

決してそうではありません。
全てを間違ったというのは、誤りであり不当でもあります。プラス面もあれば、マイナス面もあります。共和国の計画には成功したものもあれば、不成功に終わったものもあります。これらを適切に位置付けなくてはなりません。そうでなければ、今日の我々の苦難や、民主主義の不完全さや欠陥を理解するのは難しいでしょう。

(5)言い換えれば：

８０余年経っているいくつかの決まり事と決まり文句が、今日まで同様、今後も国家の見解に影響を与え続けるのであれば、ことは困難です。民主主義の糸に包まれておらず、法の優越性と人権をあまり重要視せず、様々な出自の国民のアイデンティティ問題に適切に取り組まない共和国トルコは、疑いなく、「外部勢力」の戯れに、より一層無防備な状況でしょう。

私たちは(上に展開した問答の)状況を決して忘れずにいましょう。本当の問題は私たち自身の内にあるのです。

古い表現を用いれば、(国外の)超大国に挑む代わりに、自らの内部の問題を、一連の決まり事を敢えて破り、民主的な法治国家の要請に見合う形で解決しなくてはなりません。

この観点から、先日アナトリア通信（ＡＡ）に対して、退官したヒルミ･オズキョク前参謀総長が語った談話の次の言葉は強調するに値します。

「北イラクの指導者たちは、時折(我々が)受け入れるのに相応しくない、決して正しくない、非常に間違った発言をおこなう。ことごとく強気な発言をしているといって、あまり真に受けてはならない。もし、１人当たりの所得が１万５千ドル（約１８０万円）になり、欧州連合に加盟し、経済的繁栄を確かにし、階層化した社会を秩序立てたトルコになれば、ディヤルバクルでクルド指導者は何をできようか？」

いいえ、できません、将軍！

■ ノクタ誌を急襲！

この記事を書いていた時に、ニュースが入ってきた。
ノクタ誌を警察が強制捜査したのである！

ＣＮＮトルコが昼のニュースで「参謀長官が昨日会見し、警察は今日ノクタ誌を強制捜査した！」というヘッドラインで報じたのだ。

遺憾である！

国家は、政治権力を知らしめる安易な方法をまたしても選んだ。

なぜこうなのか？

この問いをエルドアン首相も、ギュル外相も、チチェキ法相も、アクス内相も自問しなくてはならない。

元軍司令官たちに呼び出して、2003、2004年におけるクーデター計画に関する容疑の件で今日まで尋問するリスクを冒すことができず、このような試みに着手できず、そのために必要な対応をできなかった人々は、一体なんでノクタ誌への強制捜査に着手できるのだろうか？

それはなぜか？

(クーデター疑惑の)当時参謀長官であったヒルミ･オズキョクも否認を回避したクーデターの容疑に関して動く代わりに、容疑解明のために着手せずに、なぜ（ノクタ誌の）アルペル・ギョルムシュ総編集長を尋問するのだろうか、尊敬すべき同業者の雑誌を叩くのだろうか？

本当の理由を述べてください。
気がついていますか？

クーデターの容疑があるのです！
（記事の）執筆者ではなく、クーデターに関する容疑が向けられた人々を尋問してください！

これはなんという正義か、なんという民主主義か、なんという国なのだろうか？
全く想像だにしなかった！

ノクタ誌にお勤めの方々へ：
ご愁傷様。悲観しないでください。あれほどたくさん、こんなガサ入れを受けたのだから、皆さん、きっとこれを乗り越えます。

あなた方に恥ずべきところはないのですから。

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（ 翻訳者:幸加木　文 ）
（ 記事ID:10648 )