スィーヴァンド・ダムへの貯水、開始へ
2007年04月17日付 E'temad-e Melli 紙

 大統領は、自身がファールス州を訪問している期間中に、スィーヴァンド・ダムへの貯水を開始すると表明した。

 ファールス州を訪問しているマフムード・アフマディーネジャード大統領は、マルヴダシュト県の人々を前に、スィーヴァンド・ダムへの貯水が同州訪問中にも開始される予定であることを明らかにした。

 イラン学生通信(ISNA)の報道によると、同大統領はまた、マルヴダシュト県向けの政府の計画について言及し、「可能ならば、マルヴダシュト県の農業用水を整備するためのダムを複数建設する。また可能ならば、同県の教育部隊の拡充も図る予定だ。さらに、可能ならば、女性用と男子用の体育館を2つ、別々に建設したい」と述べた。

 専門家は、スィーヴァンド・ダムへの貯水が行われた場合、ハカーマニシュ(アケメネス)朝及びサーサーン朝に関連したイランの古代遺跡が水没すると警告している。

 スィーヴァンド・ダムへの貯水が開始される一方で、文化遺産の保護を訴える一部の者たちからは、本件に関しエスファンディヤール・ラヒーム=マシャーイー副大統領〔文化遺産観光庁長官〕、及びパルヴィーズ・ファッターフ・エネルギー相に対する訴訟が起こされている。この訴訟は最近になって、《政府職員特別検察庁》に審理が委ねられることが決定している。

 スィーヴァンド・ダム問題を追及する人々の弁護を担当するモハンマド・アリー・ダードハーフ氏は、以前にISNAとのインタビューの中で、スィーヴァンド・ダムの最近の状況に関連して、「副大統領、及びエネルギー相に対するわれわれの訴訟は当初テヘラン州刑事裁判所に審理が委ねられたが、その後同刑事裁判所第76法廷は本件の審理を政府職員特別検察庁に委ねる決定を下した」と語っていた。同氏はその上で、「われわれの希望としては、本件の審理が地方の検察庁に委ねられることのないよう、テヘラン州刑事裁判所が自ら本件を審理していただきたかった」と述べた。

 ダードハーフ氏はまた、訴訟の内容について、次のように述べた。「裁判所に提出した訴状で、われわれはスィーヴァンド・ダムへの貯水の一時停止命令を要求した。裁判所は結局、この件についても政府職員特別法廷に審理を委ねてしまった。この件がどのようになるのか、結論を待つしかない」。

 他方、文化遺産観光庁研究所所長のセイエド・ターハー・ハーシェミー氏は、もしスィーヴァンド・ダムへの貯水が〔世界遺産に登録されている〕キュロスの墓やパーサールガード〔パサルガダエ〕に少しでも影響を与えるようなことがあれば、ダムから水を抜くと表明し〔、事実上ダムへの貯水開始にゴーサインを出し〕た。

 文化遺産庁がスィーヴァンド・ダムへの貯水に問題はないとの見解を示したことを受け、国会の文化委員会の委員を務めるアミール・レザー・ハーデム議員は、〔スィーヴァンド・ダムに貯水を開始するとの〕決定について、次のようにメフル通信に述べている。「国会は〔行政の〕監督機関として、本件に対して口を挟むことはできない。しかし昨年文化遺産手工芸品観光庁と交わされた合意によれば、まず彼らがスィーヴァンド・ダム地域の遺産調査・考古学的発掘作業などに関する最終報告書を国会の文化委員会に提出した上で、それを受けてスィーヴァンド・ダムへの貯水について見解を表明する、という手はずを踏むことになっていた」。

 同議員はその上で、「この合意は実現されずじまいとなっている。最終報告書が国会文化委員会に提出されぬまま、文化遺産手工芸品観光庁はスィーヴァンド・ダムへの貯水には問題はないと表明してしまった」と指摘している。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:10674 )