Fikret BILAコラム:「大統領候補問題おさらい―想定外の候補、想定内の候補」
2007年04月22日付 Milliyet 紙

首都アンカラの舞台裏では、大統領選の候補となりうる名前が飛び交い続けている。
一方でこれら挙がっている名前について肯定的、または否定的な議論が続いているが、その一方ではエルドアン首相の発言や行動が注目されている。
ここのところの首相の発言、すなわち「サプライズがあります。皆さんはショックを受けるでしょう。」といった内容の発言について、いくつかの憶測が書きたてられている。

エルドアン首相のこのようなメッセージは、現在挙がっている以外の候補者はいない、という方向で解釈されており、首相から「皆にショックを与えるサプライズ人事」の発表が待たれている。
「我々が決定を発表した時、この人たちは本当に国民のためになろうという意思でここにいるのだと思うでしょう」といった首相の発言もこの期待を高めている。

■想定内の候補者

候補者受付期間の締切が迫る一方で、「誰が想定外で、誰が想定内か」といった憶測もひろがっている。
エルドアン首相の発言を「立候補しない」と解釈したところで、4月25日夜24時まではこれを鵜呑みにはできない。エルドアン首相は、いつでも立候補を決心できる。しかしエルドアン首相の立候補は想定外ではないし、ショックにはならないだろう。
エルドアン首相と同様に、アブドゥッラー・ギュル外相の擁立も想定外とはいえない。「エルドアン首相か、ギュル外相」は、公正発展党内でもっとも簡単に承認される二人であることは間違いない。このため、ギュル外相の擁立も「ショック」を与えるような展開とはいえない。

エルドアン首相とギュル外相以外に、エルドアン首相がアンケートに記した名前である可能性はある。可能性はそれぞれ大きく異なるが、ヴェジディ・ギョニュル氏、ベシル・アタライ氏、メフメト・アイドゥン氏は想定内の人たちだ。
アブデュッラティフ・シェネル氏も想定外とはいえないうちのひとりだ。
エルドアン首相、ギュル外相、そしてシェネル副首相、いずれかが擁立ということになれば、夫人がイスラーム風スカーフを着用していることが問題視されてはいない、ということも明らかになる。
ギョニュル氏、アタライ氏、またはアイドゥン氏が擁立されれば、夫人がスカーフを被っていないことがひとつの選択要素であることが考えられるだろう。

■想定外の候補者たち

想定外の候補者といえば・・・
トルコ大国民議会のなかで想定外に入る名前としては、まずニメト・チュブクチュ国務大臣をあげる必要がある。チュブクチュ国務大臣の名前は、舞台裏ではかなりの頻度で聞かれている。エルドアン首相がこのような選択すれば、サプライズであると同時に一部の層にとっては「ショック」といえる。エルドアン首相がこのような決定をするならば、今日までに受けた批判に対し、きめ細やかな回答を出したという意味になる。大統領府でイスラーム風スカーフが許されるのか、許されないのかといった議論もされなくなるだろう。トルコ初の女性大統領、それもスカーフを被っていない女性大統領が、公正発展党によって擁立されるということは、社会に顕在化している「疑いの目」をはらすという点でもエルドアン首相を後押しするだろう。
チュブクチュ氏の大統領候補擁立は、エルドアン首相のいう「想定外でショッキング」という定義にもあう。
首都アンカラの舞台裏で、首相の相談役であり研究者であるエディベ・ソゼン氏の名前もあがっている。しかしソゼン氏は国会議員ではない。エルドアン首相は、大統領を国会から、それも公正発展党の国会議員から選ぶとすでに発言している。ソゼン氏はこの発言に適していない。チュブクチュ氏と比較すれば可能性は低いとはいえ、もしソゼン氏が擁立されれば「想定外でショッキング」な部類に入る。

■外部からのサプライズ

トルコ大国民議会ならびに公正発展党以外の人が大統領候補になれば、これは完全に「想定外であり、ショック」となる。エルドアン首相とその他の公正発展党の権威筋のアナウンスメントに注視すると、外部からの候補者擁立の可能性はもっとも低い。
これに対し、「諸条件が必要とさせた」ということで候補者が示されるならば、エルドアン首相はサプライズをしたことになる。
首都アンカラの舞台裏では、「外部からの候補者」で可能性のある人として、ヒルミ・オズキョク氏、ヒクメト・チェティン氏、エキメレッティン・イフサンオール氏の名があがっている。この3人の誰が擁立されても本当に大きなサプライズとなる。
しかしサプライズも、トルコ大国民議会ならびに公正発展党からでることのほうが可能性は高い。

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( 翻訳者:山下王世 )
( 記事ID:10698 )