イラク、ラジオ放送局に対するテロ
2007年05月06日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ ラジオ・ディジュラ局長、局内で職員達がさらされた事件につき調査を要求

2007年05月06日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【バグダード:本紙】

ラジオ・ディジュラ(チグリス・ラジオ)の創設者でもあるアフマド・アル=リカービー局長は、30時間にわたって同局の建物を占拠したテロリストに治安機関が協力しており、それが見過ごされているとして大統領に調査を要請した。

本紙が写しを入手したジャラール・タラバーニー大統領宛の書簡の中で、アル=リカービーは、治安計画「法の執行」実施の最中事件が起きたことに激しい驚きの念を表明し、これを深刻に受け止め、また職務怠慢を見逃さないようにしなければ、テロリスト達に更なる犯罪を促す事になると述べている。局長は、世界メディアの自由の日、つまり今月3日にラジオ・ディジュラで起きた事件の概要を記している。

午後2時半近く、約80名のアル=カーイダ組織分子から成る一団が、アル=ジャーミア地区に位置する同ラジオ局の建物を攻撃し、結果として警備隊長が殉職、他2名が負傷し、建物の1階がほぼ全壊した。これに先立ち、同日朝の8時半、局の職員4名が拉致されかけるという事件が起きている。目撃者によれば、武装グループは、500ミリ砲、RPG、及び爆発物を用いて建物への攻撃を開始する前に、同局へ通じる道路を封鎖している。武装グループは、アーディル・アル=バドリー警備隊長殺害の後、2階建ての局内に侵入したが、内部からの果敢な抵抗に遭い屋内で約45分間交戦した。その後、短い時間を置いて戻って来たテロリスト達は、局内を30時間に渡って占拠し建物に放火したうえ爆破した。

ラジオ・ディジュラは、全イラク人に対し平等で独立した最初の放送局とみなされており、報道機関が表現の自由の象徴となるべき新たなイラクにおいて、放送開始以来、全てのイラク人を代表する声となってきた。同局でこれまで殉職した人々のリストにはあらゆる宗派が含まれる。従って、ディジュラを標的にする者は、イラクの人々の団結心、我々の愛国心と同胞愛を深める努力を標的にしているのである。全イラク国民がラジオ・ディジュラを、自由かつ率直に意見を表現できる場とみなしているというのに、治安機関がテロリスト達と関わりを持つ現状を見過ごす事は全く職務怠慢である。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:10826 )