Ilhan Selcukコラム:国民化すること
2007年05月24日付 Cumhuriyet 紙

首都で爆弾が爆発した。

都市の真ん中で。

死者に・・・負傷者・・・。

初期見解によれば事件はPKK(クルド労働者党)の仕業のようだ。
戦慄を覚え、反発を感じ、激怒にかられ、アンカラの中央で何人もの無防備な人々を攻撃するテロリストに対して敵意を覚え、防衛本能でどうする必要があるのかを考えること。
これらはすべて自然なことだ。



しかし、トルコが陥っている状況を現実的な観点から見ないで通り過ぎるわけにはいかない。
パレスチナで人々が死んでいる。
しかし、パレスチナのイスラーム教徒は二つに分断されている!
一方で周知のとおり、PLO(パレスチナ解放機構)がある。
もう一方はハマス(イスラム抵抗運動)だ。
宗教主義がパレスチナを二つに分断した。

イラクにおいて人々が死んでいる。
イラクも二つに分断されている。
一方はスンナ派で、
もう一方はシーア派。

では、トルコにおいて状況はどうなのか?
トルコにおいても人々が死んでいる。
犠牲者が後を絶たない。
それでは、トルコも二つに分断されているというのか?



トルコは、パレスチナやイラクのように、お互いのことを理解できていないことに気づかずに、人々が仲間同士で争う状態に陥るのか?

アタテュルクがもたらした世俗的で独立した共和国をこの罠におとしいれようと企む外国勢力は、その帝国主義的野望に役立つ機関や組織を国内でこれみよがしに支援し、利用している。
我が国では、対立の構図が形成されている。
世俗戦線。
宗教戦線。



アメリカ合衆国はPKK(クルド労働者党)の後ろ盾となっている。
そして同時に公正発展党(AKP)の後ろ盾となっている。
そして我が国民が犠牲になっている!



しばらく前から我が国民は、国内外から刺激をうけた組織政治のなかで、明らかに宗教共同体化することを強いられている。我々はもう一度、国民国家の一員にもどらなければならない。

アンカラのウルス(国民)広場で爆弾が爆発しても、我が国民は正気をとり戻さないのだろうか?

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( 翻訳者:イナン・オネル )
( 記事ID:10975 )