トルコ軍の情報がアメリカ・イラク経由でクルド労働者党(PKK)に流出?
2007年05月31日付 Cumhuriyet 紙

トルコが、PKKのテロとクルド人グループがキルクークを標的にしたことから北イラクへの軍事作戦を行う可能性が明るみに出、地域に大きな割合の軍事力を送り始めて以来、アメリカはトルコ軍の国境での活動を細かく監視している。この監視の結果は、クルド人指導者のマスード・バルザーニ(クルド地域政府議長)経由でテロ組織PKKに届けられていると指摘されている。テロ組織PKKがトルコ軍が軍事作戦を行うであろう地域を事前に知って逃げたこともこのことと関連付けられている。

トルコによる北イラクへの軍事作戦の可能性が世間で大きく取り上げられ始めている一方で、アメリカが地域のトルコ(軍)部隊を注視していることが明らかにされた。治安部隊はこの監視がアメリカの技術的能力全てによって実現されていると語った。アメリカは、イラクとこの国(=トルコ)の国境をまず宇宙から衛星を使って監視している。この衛星を通じてイラン、シリアや他の近隣諸国からの出入りを監督下に置こうと努めている。アメリカは、中東での監視活動の中で無人飛行装置も使っている。この装置は宇宙からコントローラーを使って操作されている。小型であるこの装置は撮影した映像や写真を瞬時にセンターに送っている。

衛星から撮影された写真が2次元であることや、完全な情報のためには3次元の写真が必要であること、国境を侵犯する飛行機がこの目的で写真を撮影しようとするのではないかということに注目が集まっている。他方で治安部隊がいくつかの無人飛行装置を確認し報告したことも明らかになっている。トルコ軍が地域での軍事活動を詳しく監視できるよう新しいレーダーシステムを配備したことも判明した。

■バルザー二がPKKに流している

アメリカによる監督の結果入手された情報はといえば、イラクの中央政府とともにクルド人指導者のマスード・バルザーニ(クルド地域政府代表)にも届けられている。バルザーニもこの情報をテロ組織PKKへ流していると伝えられている。複数の情報筋は、PKKがトルコ軍が軍事作戦を行う予定の場所について事前に情報を得て撤退したと指摘している。他方で地域で活動している(PKK系の)ロジテレビにも監督情報が流され、このようにしてPKKが軍事作戦について早期から警告を受けていたと語っている。バルザーニの政権(=クルド地域政府)においてもPKKに近い多くの人物がいることが分かっている。

■イスラエルも懸念

トルコが北イラクに侵攻するか否かはイスラエルによっても注目されている。トルコ政府が行う可能性のある軍事作戦で(トルコ軍が)キルクークにまで下ってくると考えているイスラエル政府は、このためクルド人に対する支援を増強することを議論している。キルクークはイスラエルから見て原油があることから大きな重要性を持っている。キルクーク・(イスラエル北部の)ハイファ間の歴史ある石油パイプラインはクルド地域政府とイスラエルによって復活作業が進められている。


<関連記事>
キルクーク-ハイファ間の石油パイプラインが拡張工事へ(2007年03月17日、Cumhuriyet紙)
Ilhan Selcuk コラム:PKK(クルド労働者党)は帝国主義の手先である(2007年5月26日、Cumhuriyet紙)

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:11029 )