公正発展党、30万戸の違法住宅、赦免へ
2007年06月05日付 Hurriyet 紙

レフェランス紙に掲載されたセルマ・ベクタシュの記事によれば、アダナ、アンタリヤ、メルスィン、ボル、東黒海地方の牧草地、夏の放牧地(ヤイラ)にひろがっている違法住宅に関し長く待たれていた赦免がおこなわれた。

選挙対策と位置づけられ、国会最終日に可決された「牧草地法」により、アダナ地域だけで国庫が違法住宅に対しておこなった2万件近い訴訟が無効となる。トルコ全土で牧草地に当たる土地に建てられた30万戸ほどの住宅が合法となる。アフメト・ネジュデト・セゼル大統領に提出された法案に承認がおこなわれれば、共和人民党は無効を求めて憲法裁判所に提訴する。

トルコでは牧草地法は最初1998年に承認され、同法には売却、譲渡の禁止事項が盛り込まれていた。一昨日(11日)、農林村落事業委員会で採択され超スピードで可決された新法案は、2003年1月1日以前に決定された開発計画で「居住地」となり、牧草地、採草地として使用されていない土地の使用目的を変え、こうした場所が国庫の名の下、登記されることを予想している。新法によれば、こうした不動産のうち公的機関宛てに登記されたものについては代金を請求できず、訴訟も起こせず、既存の訴訟も取り下げとなる。

■ 新たな開発に路を開く

国会の最終日に可決された法案は、アダナ、メルスィン、アンタリヤ、ボル、東黒海にある牧草地で違法に開発された30万軒近い住宅あるいは邸宅を合法とする一方、今後この種の土地に家屋、厩舎、その類のものの建設実施に路を開くことになる。牧草地上に建設された違法住宅に、対価を国庫に支払うという条件で開発を許可した同法は、国庫が今日まで違法住宅に対し土地権利書の返還を求めておこなった訴訟を無効とする。

議題となった当初から農業、環境、畜産関係者から反発を受けた修正案が施行となるには、セゼル大統領の承認を要する。注目が大統領に移る一方、同法と関わる議論も続いている。同法を集中的に批判している野党共和人民党は、大統領が承認した場合、憲法裁判所に提訴する。トルコ対侵食植林・自然保護財団(TEMA)も大統領に宛て法案の差し戻しを求めて、昨日書簡を送った。

■ 農業に与えられた打撃

農業技師会会長のギョクハン・ギュナイドゥンは、新法をトルコの農業に与えられた打撃と評価している。同氏は、同法が憲法や既存の牧草地法に反するものである主張し、以下のように述べた。「1998年に発効した牧草地法は農業発展にとって希望となった。同法により国内の牧草地が確認されると同時に、保護のための法的根拠ともなった。今回の法の修正は、法に風穴をあけると同時に憲法にも反している。資金に恵まれない我が国の農業にとって杞憂を抱かせる展開である。」

農業従事者協会会長のイブラヒム・イェトキンは、同法の今回の修正が思慮なしに実施された選挙対策とみている。「牧草地を占拠している連中は、すでに法の認めるところにたどり着いた。新規の建設とともに現行の牧草地も縮小していこう。」

■牧草地は国家財産である

トルコ対侵食植林・自然保護財団(TEMA)の農業顧問マーヒル・ギュルビュズによれば、今回の修正により牧草地の目的外使用の路が開かれる。「この法は、新規建設にとって指標となろう」とし、「夏の放牧地(ヤイラク)、冬の放牧地が開発される原因となろう。同法は高原(ヤイラ)と夏の放牧地(ヤイラク)を混同している。新法では高原で農業がおこなわれてきたかのような(混乱した)認識を示している」と述べた。

イスタンブル弁護士協会の環境と法委員会の委員長オメル・アイクルは、牧草地は国家に属し売却が不可能な土地であるのに注目して、次のように述べた。「森林、海、湖が国家財産で決して売却できなければ、牧草地もそうした範疇にはいる。これらは国庫の土地すらでない。決して売却、譲渡はできない。牧草地は公益に適うことに割当てる権利があるのだ。」

■ 牧草地としての性質を失ったものを容認

与党公正発展党のアダナ選出の国会議員アリ・キュチュクアイドゥンは、開発容認となった場所が、牧草地の範疇外であり、すでにそのように使用されず、市の開発計画にあったところであると明らかにした。対象となる場所が畜産や農業となんら関わりがないとし、次のように述べた。

「今回の修正は誤解されている。対象となるのは居住区域である。例えばアダナのテキール・ヤイラ、何百年もアダナの人々はここに涼み、夏を過ごすため通っている。名前に単にヤイラ(夏の放牧地)と付いているだけだ。全くの居住地だ。ここには何千もの家や別荘がある。」

農業・村落事業省の事務次官補ニハト・パクディルは、問題の修正案が極めて限定的な範囲を対象とするとし、採草地や牧草地を狭める可能性はないと口にした。1998年に成立した牧草地法によりこの種の場所に住宅を所有する人々は窮状に陥ったとし、次のように述べた。

「なぜならこの法律は、牧草地の中で住宅の建設と建築済みの住宅の譲渡を妨げている。今回の法律作成は、この種の窮状にとってそれを除いたことになろう。結論として、こうした人々は長年の間夏の高原(ヤイラ)で暮らしており、そこは畜産業となんら関わりはない。」

■ケマル・デルヴィシュが基金を閉鎖した

*牧草地と関わる最初の法律は1998年にさかのぼる。農業や畜産分野関係者とともにトルコ対侵食植林・自然保護財団(TEMA)のような市民社会組織の力で発効した法律により、牧草地の範囲の確認をおこなう牧草地基金が設立された。

*ケマル・デルヴィシュの(国務大臣)在任時期に予算削減を理由に基金が閉鎖された。この間、牧草地法の第14項、つまり牧草地が公益目的以外に使用されないことに関わる条項の修正のため、何度も試みがおこなわれた。

*最近では昨年来、与党公正発展党のアダナ、ボル、ブルサ選出の国会議員たちが提出した修正提案を統合して、新法律案が作成された。他方、1935年当時に4億1000万へクタールあったとされる牧草地は、今日1億2000万ヘクタールに後退していると推定される。

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( 翻訳者:清水保尚 )
( 記事ID:11075 )