欧州安全保障協力機構、ムスリム差別調査を申請 -スイスは許可ださず
2007年06月07日付 Zaman 紙

スイス外務省は、欧州安全保障協力機構(AGİT)の代表として同国のムスリムに対する差別を議論しようとしたオムル・オルフン氏の申し入れを拒否した。
AGİTの「ムスリムに対する不寛容・差別と闘う会」個人代表オルフン氏の訪問が、10月の議会選挙の後実現することを明らかにした。外務大臣ミシュリン・カルミ=レイ氏はオルフン氏の訪問の申し入れを、選挙の前では政治問題へと発展する可能性があり、それを懸念し拒否したことを告白、国内で激しい反発が起きた。オルフン氏はスイスのムスリムたちが被っている差別が議論されることを求め、特に最近起こっているミナレット問題について危惧していた。

スイスで5月、保守右派と、ゾンターク・ツァイトゥング紙によれば”キリスト教原理主義者”とされるグループとが、憲法にミナレットの建設を禁止する法を追加するため「ミナレット国民発案」を作成したことが明らかとなった。しかし、このことが国内に見解の相違を生み出すこととなった。AGİT代表はこの問題に関した会見で懸念を明らかにし、「スイスで最近ムスリムに関連して起こった事態、特に「ミナレット国民発案」には驚きました。教会の塔が教会の一部であるように、ミナレットはモスクの一部なのです。もっと建設的で、前向きな議論に時間と労力を費やすことを薦めます」と忠告した。

■各政党からも反発

オルフン氏の訪問の申し入れが延期されたことは、左派政党から右派政党まで多くの政治関係者の批判を受けた。社会民主党所属グレンヒェン県知事ボリス・バンガ氏は、オルフン氏の訪問の申し入れの拒否を、スイスの弱さの現れであると評価した。そして「スイスは何も隠してはいけません」と語った。自由民主党クリスタ・マークワルダー議員もオルフン氏の申し入れが実現されないための理由はなにもないと述べた。スイスの保守政党の一つ南チロル人民党クリストフ・メルゲリ議員も、申し入れの拒否がおかしなものであると話した。人種差別主義に反対する連邦委員会(EKR)ゲオルグ・クライス委員長によると、外務省は会談を延期して、少しの間、問題から逃げようとしたが、しかし、このような方法で結局自分の首を絞めることになった述べた。EKRは昨年、スイスのムスリムたちの現状に関する報告レポートで、ムスリムがこの10年間、スイスの新たな“犠牲の山羊”となっていることを明らかにした。ゾンターク・ツァイトゥング紙は、オムル・オルハン氏に対する扱いは、国連の人種差別問題特別報告者ドゥドゥ・ディエンのケースを思い起こさせると伝えた。

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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:11091 )