違法なコピー映画ソフト、摘発の動きが活発化:国会もこの動きに加わる
2007年06月13日付 Iran 紙

【文化芸術部】国内における映画ソフトの違法な売買の根絶へ向け、現在あらゆる方面で準備が整っている。一般世論はこの動きに感化され、映画関係者は矢継ぎ早に会合を開き、声明を発表している。映画協会も緊急会合を招集しており、映画配給業者組合は、もっとも最近開かれた会合の中で、30万点にのぼるイラン映画の違法コピーCDが摘発・押収されたことを発表している。国会からも、数名の議員がイラン映画制作者の権利保護とイラン映画ソフトの違法売買の厳格な取締りに関して、管轄の文化イスラーム指導省に注意を促していることが伝えられている。他方、文化イスラーム指導省は、同省の高官らが参加する対策本部を同省の映画局に設置し、治安機関の協力のもと映画ソフトの違法売買を追及する構えを見せている。

 〔アフルーグ前文化委員長に代わって〕新たに国会の文化委員会の委員長に就任したアフタリー委員長は、最近の発言の中で、映画ソフトの違法売買の取締りを妨げる障害を同委員会が取り除く用意がある旨表明し、次のように述べている。「国会の文化委員会は、映画ソフトの違法売買の取締りに必要とされる環境を整備することに尽力する所存だ」。

 アッバース・アリー・アフタリー委員長はファールス通信に対して、さらに「国会にとって文化委員会にかかわるような法案や計画については、われわれとしても十分に検討し、優先順位を考慮した上で、計画の実施に向けて行動を起こすつもりである」と述べた。

 同委員長は続けて、「来週中にも、社会の文化問題のさまざまな側面について、議員ら自ら意見を表明し、彼らの判断に基づいて、文化委員会としての仕事の優先順位を検討する予定である」と述べた。同委員長は、政府提出のさまざまな文化法案の可決を迅速化する必要性については、「昨年、これらの法案の一部はすでに可決されており、別の一部は現在検討されている段階である。文化委員会にかかわる問題が書かれたリストが、近々提出されることになろう」と述べた。

 映画ソフトの違法売買取締りに関する法案の今後の行方について、同委員長は次のように語っている。「この法案は今後検討が予定されている。制作された映画がある機関・個人の権利に属している場合、それを侵害する権利は誰にもないということ、そして司法・行政関係者は、この権利を侵害した者を取締る義務を負っていることを明記するつもりだ」。

 他方、国会議員らは映画ソフトの違法売買について懸念を表明、内務相及び文化イスラーム相に文書で注意を喚起し、認可を受けた合法的な映画のソフトがブローカーによって違法に売買されていること、また認可を受けていない違法な映画のソフトが国内で制作・頒布されていることに対して、取締りを行うよう要望した。

 また、文化イスラーム指導省の文化局は委員会を設置し、昨年からこの問題を真剣に追及しており、映画関係者の協力の下、いくつかの成功を収めてきた。それによると、〔先週〕月曜日、30万点の違法なコピー映画ソフトがテヘランの南バハール通りにある事務所から発見されている。

 イラン映画配給頒布業者組合のスポークスマンを務めるセイエド・ゴラーム・レザー・ムーサヴィー氏は、このように述べた上で、さらに次のように指摘する。「テヘラン治安警察の協力の下、本組合の追及グループによって行われたこの作戦で、違法にコピーされたCD・DVD30万点の他、DVD用に作られた写真やラベル、ケースなどが約50万点発見された。発見されたもののほとんどは、DVDとしてコピー・包装されており、60億リヤール〔約7900万円〕の価値があると見積もられている。これらのDVDや宣伝用の写真などを関係機関に運び出すためには、小型トラックが6台必要だったほどだ」。

 イラン映画窃盗撲滅対策本部の関係者らは今週日曜日、テヘラン検察庁の次席検事で指導司法局局長のバフティヤーリー氏と会合を開き、話し合いを行った。その中でバフティヤーリー次席検事は、文化を盗み出す《窃盗犯ら》を撲滅することは、指導司法局の活動にとって最優先課題となっている旨表明し、同会合に出席していたテヘラン治安警察の代表者に対して、指導局の認可なく営業し、違法映画のソフト、あるいは《盗まれた》映画のソフト〔=映画は合法的だが違法にコピーされたソフト〕の供給を行っている業者の事務所すべてを、法に基づいて営業停止させ封鎖するよう、強く求めた。

 また、テヘラン市も、その他の業界団体・政府機関と歩調を合わせるように、違法CDを売っているテヘラン市内の露天商を摘発、法的な措置を講じていることを発表している。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら
関連記事(映画『ベール』の違法コピーCD、回収へ)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:11144 )