占い師の男、4度の同害報復刑を宣告される
2007年06月11日付 Iran 紙

【事件部】3人の女性と1人の医師を殺害した容疑で起訴されていた占い師の男が、ガズヴィーン州刑事裁判所第2法廷の裁判官より、4度の同害報復刑を言い渡された。

武術の指導者でもある容疑者は、ある若い男性の訴えにより逮捕された。若い男性は武術の指導者が彼の妻を騙したと訴えたのである。この容疑者の逮捕により、コイーン地区にある容疑者が所有する別荘の地下の小部屋で起きた、彼の4人の生徒に関わる謎の犯罪の秘密が明らかとなった。

予審判事の指示で、3人の女性と若い医師が殺害された事件について警察の取調べが開始されると、容疑者は事件の捜査を混乱させる供述をした。容疑者は最初、住む所の無かった4人の生徒の為に別荘を提供したと述べた。

数年間チベットや中国に滞在していた為、武術に通じていた容疑者は、彼の生徒が殺害された事件について次のように語った。

「1週間別荘を離れていて、戻ってきた時にレイラーが見当たらなかったので尋ねると、他の3人の生徒は彼女が武術の練習中、ヌンチャクが命中して死んでしまったので埋葬したと言った。私は激怒し別荘を出た。再び別荘に戻ると、誰もいなかった。地下の小部屋をのぞくと3人とも毒物を飲んで死んでいた」。

この供述を元に、警察はこの事件に関して広範な捜査を開始した。そしてついに占い師の男ハビーブとアーレズーという名の若い女性の関係について情報を得た。アーレズーが魔法・占い・武術の教室を設立することを口実に、若い女性たちを騙しているというものである。こうしてハビーブはついに殺害を認めた。供述は以下の通りである。

「2002年コンピュータ会社1社と数台の外車を保有していた医師サイードが資産を売って婚約者や使用人とドウルヘチャーイ村郊外のコイーンにある私の別荘へやってきた。妻の姉妹のズィラー(訳注:レイラーの誤りか)も私と一緒にそこで暮らしていた。英語の学士号を持っていた彼女は英語を教えていた。アーザル月の初め(11月下旬)に私は2日別荘を留守にした。その後、レイラーが居ないことに気づくと、彼らは彼女を殺した理由を語った。私は不愉快になり、怒って「お前らの墓を掘っておけ」と言って別荘を出た。私は3人を殺したいと思っていた。別荘へ戻り、3人に睡眠薬入りのジュースを飲ませ、その後首を絞めて3人とも殺した」。

コイーン地区の一般裁判所のケシャーヴァルズ裁判長より有罪判決を言い渡され、事件はガズヴィーン刑事裁判所第2法廷に送られた。容疑者の弁護士アッラービー氏は今回の事件に対して「5人の裁判官による2回の審理を経て、彼は有罪と見なされ、4度の同害報復刑が言い渡された」と述べた。

この判決に基づき、事件の犠牲者のうち3人が女性であることから、殺人事件の容疑者の死刑はディーヤ(血の賠償金)の差額分の支払いと共に執行される。


訳注:「ディーヤ」とは、身体的危害を加えた加害者に対して、被害者あるいはその親族が賠償金を求める制度。女性の賠償金は男性が殺害された場合の半額であるとされる。そのため、女性の被害者あるいは親族が男性加害者に死刑を求める場合、加害者の親族に対し賠償金を支払うこととなる。

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( 翻訳者:中谷登紀子 )
( 記事ID:11176 )