ハーメネイー最高指導者、ターラバーニー大統領と会談「アメリカはイラクのテロリストに武器を提供している」
2007年06月27日付 Iran 紙


 アーヤトッラー・ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者は、昨日午後イラクのジャラール・ターラバーニー大統領、及び同大統領とともにイランを訪問した一行と会談した。その中でハーメネイー最高指導者は、イラクが抱えるもっとも重要な問題は、占領軍の存在と治安の欠如であると強調した上で、「イラン・イスラーム共和国は、イラク国民自らが選んだ大統領や首相、政府、国会など、現在のイラクの主権を真剣に擁護する」と言明した。

 イラン国営通信(IRNA)の報道によると、ハーメネイー最高指導者は、イラク国民が表舞台に立ち、指導者らを選出したことは同国の歴史上類を見ないことだとした上で、「イラクの現在の状況に異を唱える者たちは、実際にはイラク国民の願望と利益に異を唱えているのであり、その筆頭にアメリカとイギリスがいる。そして残念なことに、地域周辺国の中には、イラク国民の利益に反するような動きを見せている国もある」と付け加えた。

 イスラーム革命最高指導者はまた、イラン・イスラーム共和国はイラクの治安確立のために、あらゆる協力をイラク政府ならびに国民に対して行う用意があると強調した上で、「アメリカはイランとイラクの関係拡大に異を唱え、両国の関係を損なおうと画策している。このような破壊行為に対して立ち向かわねばならない」と指摘した。

 ハーメネイー師はさらに、イラク国民、特に同国の政治・文化指導者のこれまで以上の団結と連帯が不可欠だとした上で、「アメリカとシオニスト体制、そしてそれらに追随する一部の国のスパイ組織こそ、イラクの治安を脅かし、現在の悲惨な状況を引き起こしている主要分子である」と述べた。

 アーヤトッラー・ハーメネイーは、アメリカはイラク国内の一部の0テロ集団のに対して武器を提供していると指摘した上で、「この問題はアメリカ自身にとっても害をもたらすだろう。かつてアメリカは、アフガニスタン国内の一部の集団に対して武器を提供していた。それがもたらした結末がいかなるものであったか、彼らも知っているはずだ」と付け加えた。〔訳註:アメリカがアフガニスタンを占領していたソ連軍を困難に陥れるため、アル・カーイダに武器を提供していたとされることを指す〕

 アフマディーネジャード大統領も同席したこの会談の中で、イラク共和国のジャラール・ターラバーニー大統領は、イラン・イスラーム共和国の国民ならびに政府のイラク国民に対する変らぬ支援に感謝の意を表明した上で、「イラク政府はイランとの関係拡大を不可欠なものであると考えており、敵が何を望もうとも、真剣にこれを追求する所存だ。そのためには、外国のいかなる圧力にも屈するようなことはない」と強調した。

 同大統領はまた、イラクにおける治安の欠如と同国の警察部隊の装備の不備という問題を指摘した上で、「現在、イラクでは警察官5名のうちたった1名にしか武器が提供されていない。イラク政府はさまざまな手段を通じて、警察と軍の装備の充実を図り、治安欠如に対抗するための施策を講ずる努力をしているところだ」と語った。

 アフマディーネジャード大統領、イラク大統領を歓迎

 イラク共和国のジャラール・ターラバーニー大統領を歓迎する式典が、イラン・イスラーム共和国のマフムード・アフマディーネジャード大統領によって、昨日午後、大統領府にて執り行われた。

 ターラバーニー大統領はその後、アフマディーネジャード大統領と会談した。大統領府報道局の発表によると、この会談の中で、アフマディーネジャード大統領は、「イラン政府はこれまでつねに、イラク国民の福祉と発展のためにイラク政府をあらゆる方面から支援する用意を有してきた」と述べた。

 アフマディーネジャード大統領はさらに、両国の国民の関係は同胞愛に基づいたものであり、極めて深いとした上で、「イラン政府がイラク政府とさまざまな分野で協力関係を拡大させることに、いかなる制約もない」とも述べた。

 イラクのジャラール・ターラバーニー大統領もまた、この会談の中で、イスラーム革命最高指導者とイラン・イスラーム共和国大統領が、イラク国民の福祉と安寧のために支援の手を差し伸べてくれていることに感謝の意を表明した上で、「今日イラン・イラク両政府は、つねに両国国民の幸福のために邁進している」と強調した。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:11257 )