Derya Sazakコラム:ギュル外相、大統領選立候補への固い決意を表明
2007年07月11日付 Milliyet 紙

アブドゥッラー・ギュル外相は、自身がいまだ大統領候補であること、そして候補資格を継続するかどうかは選挙結果によって決めるとの姿勢を明らかにした。同外相は、共和人民党(CHP)のデニズ・バイカル党首による「今度の一期だけは、国会外からの(大統領)候補で協調しよう」との提案を「民主的でない」と非難した。
 キリス県・マルディン県へ演説に向かう機中で外相は、本紙ミッリイェトの記者の質問に答え、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の「新大統領は新国民議会の折り合いによって決める」、バイカルCHP党首の「国会外からの候補を」という提案に対しコメントした。同相は、大統領候補にあがる前「私は大統領になる」といった運動は行ってはいなかったこと、また誰かに指名を受けたのではないことを明らかにし、「首相と会談を行ったとき、私は彼が大統領候補であること、そして最後まで後押しすると告げた。しかし彼は首相でい続けることを選んだ。公正発展党(AKP)党員の意見や国民に対するアンケート、支持者の意向を踏まえ、私が大統領候補者となった。そもそも誰も想定しないような候補者がたてられるはずはなかった」と話した。
 ギュル外相は次のように言葉を続けた。
 「私はある原理に従って生きている。トルコの改革過程において私は大きく貢献してきた。首相の座にも就いた。私が大統領候補に選ばれたのも当然の結果である。私は抑圧されたものの役割を演じているわけでもない。私は真っ直ぐ顔を上げている。抑圧されているのはトルコなのだ。現在総選挙が近づいているが、これは正常な選挙ではない。さきの大統領選挙の無効がこれをもたらしたのだ。トルコの民主主義が脅かされたのである。
 7月22日、投票箱から現れる結果を待とう。国民が我々AKPをより支持するようならば、皆が民主主義を尊重しなければならない。私の立候補を含め、選挙後は他党とも話し合い検討する予定だ。もちろん我々も折り合いをつけるよう努力はするつもりだが、バイカル党首の言うような国会外からの候補者という提案は決して認められない。バイカル党首が選挙で勝利すれば、大統領に立候補しようと思わないだろうか?まだ総選挙の結果が出てもいないうちから議会外の候補について語ることは民主主義に反している。こうした態度が民主主義に暗い影をもたらすのである。全てが望ましい状態にあったこの国で、いったい何が起こったのだろう。これらの背景には、大統領選挙がある。過去3回は大統領選挙が行なわれたその同じ憲法の条項を盾に、(彼らは)AKPに大統領を選ばせなかったのだ。
 国民は全てを見ている。全国で展開された世俗主義集会において、民主主義を部分的に棚上げすることを望む見解を述べた演者もいた。そして4月27日の選挙無効裁決がとられた。この決定は民主主義に対する侵害である。主要野党の党首たちは衝突を警戒した。憲法裁判所はこの状況で367名の定足数が必要との決定を下したのだ。

 これらは民主主義に打撃を与える。内にこもって、いまや時代遅れになった過去の連立政権の時代を取り戻そうと望み、外国(=帝国主義)への敵意と偏執によって統治されるトルコのイメージは、アタテュルクのめざした現代的諸文明へ向かう努力にも、またEU加盟交渉で進められた、外に開かれ地域で輝くトルコにもふさわしくない。
これらがトルコのイメージを悪くしているのだ。我々AKPはこのために4年半政権につき働いてきたのではない。国会外から大統領を迎えたいと考える方々に、言っておきたいことがもう一つある。アフメト・ネジュデト・セゼル元大統領はそれほどよい成果を残したのか? 彼はトルコのどんな将来像に向かってリーダーシップをとったのだろう?」

■ 「自己犠牲」的姿勢はない
 ギュルが、期待されているような「自己犠牲」という立場をとっていないという印象を、われわれはこの発言から受けている。同外相は選挙結果が出るのを待ち、新国会が大統領を選ぶことができなければ、国民投票を行うつもりである。大統領が国民投票によって選ばれる道を開くために努力する。候補資格を捨てるつもりはない。AKP政権の下での経済・政治改革の中で果たした役割を強調しながら、エルドアンが候補にならなかった時点で大統領となる資格を得たと考え、選挙の結果を待ち望んでいる。

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( 翻訳者:上田悠里 )
( 記事ID:11365 )