分極化する若者は「トルコのジレンマ」:米タイム誌
2007年07月14日付 Milliyet 紙

米タイム誌は、「分極化は若者たちを活発にした。世俗主義の支持者は、西洋式の生活スタイルがおびやかされているという恐れを抱いている」と報じた。

アメリカのニュース雑誌タイムは、トルコで選挙前に生じている分極化をヨーロッパ版の表紙にした。タイム誌の「トルコのジレンマ」と題した分析記事で、今日まで政治にかかわっていなかった若者たちが、この分極化のために政治的領域で活動的になり始めたことが明らかにされた。

タイム誌特派員のアンドリュー・プルヴィスは、7月22日の選挙が彼らの記憶にある中で最も議論を呼ぶ選挙になるだろうと見られており、投票率がこれまでにないほど高くなる可能性があると書いた。
記事では「トルコ人は分裂した状態にある。そして最も深い断層は、若いトルコ人の間に走っている。これまで(政治的)活動とは無縁と思われていた世代は、世俗主義、イスラーム主義、あるいは民族主義の旗印の下にデモを行っている」と報じられた。
同誌は、人口の70パーセントを35歳以下の人が占める国で、こうした若者たちが鍵を握っていると指摘した。

■「世俗派に焦り」

世俗主義の支持者は西洋式の生活スタイルがおびやかされているという恐れを抱いているとするタイム誌は、篤信家の若者たちはといえば公正発展党(AKP)をトルコの「無慈悲な世俗主義的諸規則に」対する1つの手段とみなしていると書いた。記事では、AKPがはっきりとイスラームドクトリンに訴え出ることから距離を置いていること、その代わりに民主主義的、財政的な制度をEU基準にするために改革を行ったと述べられた。同誌は「改革の副次的な効果はといえば、軍の政治領域での影響力の低下と宗教的自由、少数派の権利の増強であった」と書いた。
アブドゥッラー・ギュル外相とも会談した同誌の特派員は、ギュルがAKPが再び政権に就いた場合、大統領候補になることを計画していると報じた。ギュルは「この5年間に我々が実行したことが全てを証している。これが東洋の国の法システムであろうか?シャリーアだろうか?いや、これらはヨーロッパの法律だ。真の改革者は我々だ」と語った。

■ギュルとの会談

タイム誌は、AKPの政治が世俗主義の味方であり、民族主義派のライバルよりもより西洋支持者であるとし、この状況を1つの「皮肉」であると定義した。
記事は「民族主義者行動党(MHP)-共和人民党(CHP)」の連立はもしかしたらイスラーム風スカーフを大統領府から遠ざけるかもしれないが、ヨーロッパから着想を得た民主主義的、経済的な政策にブレーキをかけるかもしれない。EU加盟交渉を危機に陥れたり、クルド人少数派に向けた締め付けをもたらす可能性がある」と伝えた。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:11397 )