エジプト、国民皆保険を目指す新法案、財源確保のため新課税も
2007年07月06日付 Al-Ahram 紙

■ 全国民に健康保険の対象を広げ、低所得層の加入については国が負担
■ 新健康保険法案では6000万エジプトポンドを国庫から供出することに
■ 公務員、手工業者、自営業者は年間保険料を納付
■ 健康保険の財源増加のため、タバコとセメント販売、運転免許交付料に課税

2007年07月06日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 新健康保険法の最終草案は、設置予定の新たな保険機構のための7つの基本的な財源を定めた。草案によれば、財源と病人に対するサービス面とが切り離されて健康保険の対象が国民全員に広げられるようになり、国民が支払う年間保険料の額にかかわりなく、健康保険が使える病院であれ、使えない病院であれ、全ての人々により良い医療サービスが提供されるようになる。

健康保険機構のサイード・ラーティブ長官は、新法案では毎年国家歳入の0.01パーセント、現在であれば6000万エジプトポンドを新機構の予算にあてることを明らかにした。一方、公務員の支払う保険料は総賃金の1.5パーセント、自営業者は毎月15エジプトポンド、手工業者は毎月10エジプトポンド、学生は毎年学費の5パーセント、専業主婦は毎月10エジプトポンドとなり、就学前児童からは年間20エジプトポンドが徴収される。国家は学生と就学前児童それぞれの保険料を12エジプトポンド分負担し、完全支援の条件を満たす国民については保険料を全額負担する。

続けてラーティブ長官は本紙のアブドゥルムフスィン・サラーマ記者に対し、治療サービス向上のための財源を増やすためにタバコ一箱につき10パーセントの課税をし、セメント販売にも課税を行って保健機構の財源にあてるよう新法案では定められていると述べた。さらに詳細は未定だが、自動車運転免許の取得時、あるいは更新時にも料金を徴収することになると明らかにした。
〔中略〕

 また長官によれば、健康保険が適用された医薬品の不正な横流しを行った者、またそうした行為に手を染めた医師や薬剤師への罰則を強化し、保健機構の規定に合わない誤ったレセプトを意図的に提出した者に対しても罰則を強化、最大禁錮三ヶ月、罰金5000エジプトポンドに引き上げることも法案に定められているという。

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( 翻訳者:玉井葉子 )
( 記事ID:11410 )