Taha Akyol コラム:総選挙の結果において優先的に見る2つの点
2007年07月21日付 Milliyet 紙

 明日の総選挙を、何年にもわたって私が主張してきた2つの点から優先的に見る:1つめは、トルコが「統治されうる」ことである。政治的見解の相違が二極化に向かわないこと、国を連立ではなく、絶対多数の議席を持つ1つの政党が統治すること…野党も「影響力のある」監視や、与党に取って代わる準備を行う力があること…
 何年にもわたって私が注目してきた別の点は、「政治的統合」である:つまり、様々なアイデンティティーを持った人々を我々の政治システムにどの程度統合することが出来るのだろうか?もしくは、どの程度「別の」道をたどろうとするのだろうか?総選挙の結果からこれらを読み取ろうと私は努めるだろう。
 これらの観点から、トルコにおいて最も重要な問題はクルド問題である。(その)名を出さないことは、(この)問題をなくすことではない。80年間、誰も解決出来なかった。
 世界においても、「制御すること」が最も難しい問題は、アイデンティティー同士の衝突である。外からの力がもちろんこの問題をかきまわす:ただ「柔らかい私達の腹」である・・・
 全てはこれらの理由のため、南東部からの票の分布に非常に注目している。

■「分離主義政党」
 いかなるテロ組織も民主的ではありえない:その構造において自由な投票がなされ、組織への参加や退会も自由であり、会計や本が監査された透明な構造は、テロ組織にとっては不可能である、更に「裏切り」とも考えられる!必然的に、権威主義ですらなく、「全体主義」である。
 ヒトラーやスターリンの党同様に、オジャランの党(PKK)においても、反対する人々は「処刑」される!
 組織のこのような全体主義的性格は、民主人民党(DEHAP)や(クルド系の)民主市民党(DTP)のような政党でも形成されている。見解、スローガン、政策、スタッフは命令によって変化する。テロの精神を、政治の場に狂信性や攻撃性として反映する。このため、非常に重要である発展、教育、健康、女性問題に対してさえ興味を示さないアイデンティティーの狂信性や攻撃性…
これらが「分離主義政党」の像である。
しかし国会において議席を占める人々は止むを得ず経済、発展、投資、健康、教育といったテーマを前面に押し出す。有権者達はもはや彼らから道路、病院、学校といった「公共奉仕」を期待する。更に、国会で「地域のイメージ」を良く代表することを、このような形で投資や観光客が来るのに資することを期待している!
時と共に独自の言語や態度を発展させる!

■道のどこまで来ているのだろう?
 この種の活動において、まず間違いなく「軍事」的なものの他に、彼らによって「議会主義者」と軽んじられる、異なった一派が発展し、時と共に抗争する。
 総選挙の後、平坦ではないこの長い過程がどのように発展するのかを我々は見張ろう。
 この問題を眺める時、非常に重要な他のデータは、民主市民党以外の政党が獲得する票である:クルド人としてのアイデンティティーを持っていながらも、いかなる動機で、思いで、思想で、他の理由で、民主市民党にではなく、「国民的な」、つまり全国規模の政党に投票しているのか?
 トルコにおいて、政治的統合の道はこの問いに答えることで探されるべきである。
 基本的に、トルコ人とクルド人は人種として、これほど相互に交配し、職業的な関係、協会の活動、国中の広がりに関して非常に密接である。よって、これらの要素が、有権者の重要な部分が民主社会共同体党に向かうことを妨げるだろう。
 総選挙の結果を私はまずこの2つの目的の観点から見るつもりだ:「統治民主主義」そして「政治的統合」、この長く、障害物だらけの道を我々はどこまで進んだのだろう?

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( 翻訳者:関口 陽子 )
( 記事ID:11441 )