Ekrem Dumanli 解説:国民はいかなる意思を示したのか?
2007年07月23日付 Zaman 紙

数ヶ月続いた選挙の興奮は昨日終りを迎え、形勢が今明らかになった。国民の意思が明らかとなった。今後、全ての人が行うべきことが一つある。それは、選挙が示したメッセージを正しく読み取ることである。

このメッセージは政党だけに向けられたものではない。同時に、メディアから市民団体に至るまでかなり多くの対話者に向けられた。選挙の白熱した結果の陰で、この件の一番目の対話者(政党)に向けられたメッセージを正しく読み取るために、一つの試論を呈することは有益であると考える。

公正発展党(AKP)に対して:(前回2002年)11月3日の選挙において、AKPは34%(の得票率)で政権の座に着いた。有権者はAKPに与えた支持を継続し、その上、大幅な票の増加をもたらした。しかし、どのような政権であれ、自らが成し遂げた業績ゆえに、ある程度自らの活力を失うものである。この損失の一部は投票に反映され、有権者は誤った政治について釈明を求めるのである。AKPは非常に難しい事を成し遂げ、長期政権の後におこなった最初の選挙で票を伸ばした。これを正しく評価する必要がある。

国民の支持の増加をもたらした最も重要な要素は、経済の安定である。というのも、2002年選挙での政治的イニシアティブは、当時の政党が引き起こした経済危機に対して出された返答だったからである。有権者は同じ危機を再び経験したくないと思っている。そのうえ、大統領選挙時に生じた不適切な状況を許さないということを示すため、AKPを支持している。(前回選挙より)10ポイント上昇したにもかかわらず、有権者は大国民議会に第三の政党(註:民族主義者行動党)をも受け入れて、さらなる参加者そして仲裁者という方法を提示している。AKP本部はこれを正しく評価し、再度始まる予定の大統領選挙のプロセスをより積極的な歩みで突き進まなければならない。この歩みは、政治的な閉塞状態を破るあらたな議題をもたらすことになる。

共和人民党(CHP)に対して:CHPは大幅に増加することが期待されていた。というのも、共和国ミーティングの追い風を受けた政党がそこにはいたのだ。さらに、民主左派党(DSP)と協力し、左派連合のプロセスを成功させていた。この条件の下でCHPの票が急増するということに言及しなくとも、大成功を約束する必要があった。そのうえ、大統領選挙において批判勢力の役割を強調していたCHP本部は、自党の支持者に「ご覧ください、われわれはAKPの候補者を大統領に選出させませんでした」と語り、興奮気味にプロパガンダを行っていた。しかし国民は期待された支持を与えなかった。彼らのやり方の最大のリスクは、難しい政治を生み出すことであった。国民は争いを望んでいなかった。同様に、表面的な成功にもかかわらず、用いられた方法はCHPの威信を損ねさせた。CHPは今すぐ自己反省をし方法を点検して、トルコの民主主義における最古参の政党であることを思い出しながら、国民の全てを包括する道を見出す必要がある。

民族主義者行動党(MHP)に対して: 2002年11月3日の選挙では、国民はMHPを非難し、17%の得票率を8.5%まで引き下げてしまった。今明らかなことは、国民はMHPに新たな1ページを開いているということである。これに敬意を表し、このメッセージを正しく理解する必要がある。選挙の場で何と言われようとも、今やMHPは新たな方式によって、自らを国民にもっと好かれるようにならなくてはならない。この幸運をよく考えればMHPは、中道政党の地位へまっすぐ突き進むことができる。

民主党(DP)に対して:メンデレス(註:1950年代のDP党首)以来続く中道右派の支流は、先の大統領選のプロセスで一連の間違いを犯した。CHPと共闘したことで生み出された雰囲気は、国民をDPから遠ざけた。その間、祖国党(ANAP)と組んだ連合プロセスが完全に失敗に終わったことは、DPの不幸となった。「負けたら、党首の座に固執しない」と述べていたアアルDP党首は、選挙結果の第一報が出るか出ないかのうちに辞任した。今後、DPの結集は難しい。今日より以降、選挙結果に関して非常に多くのことが語られ、書かれることになるだろう。しかし、忘れてはいけない現実はより多く語られる必要がある。つまり、トルコの国民は発展し強大になるトルコを望んでいるということである。以後、些細な争いごとの下で押しつぶされないことが必要である。

国民の意思が投票に反映されたのだ、誰も異議を唱えることはできない!

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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:11453 )