Taha Akyol コラム: 投票箱からのメッセージ
2007年07月23日付 Milliyet 紙

 総選挙がついに終わった。約1年にわたる緊張、論争に関し、ついに「国民」が裁可を下した。公正発展党(AKP)の得票数と共和人民党(CHP)の得票数は非常に多くの人々を驚かせた。驚きはこれほどに、トルコにおける市民社会の変動を知らなかったことに起因する。
 公正発展党が得るであろう票を予測したタフラン・エルデムにはどれ程の侮辱がなされたことか!
 もし、火星から、金星から「国民」を輸入しない限り、こうして「わが国民」の審判は確定した。
 この審判の中に全ての政党は存在する。
 まず、AKPが得た票をよく理解することが必要である。投票箱から「闇」が出るといった寝言を吐くクーデター信奉者達の挑発にも乗らなかった。政治に諸機関が「介入する」ということも背後に追いやった!
 投票箱からの最初のメッセージは、国民が民主主義を、「選出された人々」の優位性を保持していることである:経済レベル、政治的安定を支持していることである。1950年におけるように、1965年、1983年におけるように…

■共通部分は諸政党?
 投票箱からの第2のメッセージは、トルコの内政面での統合に関するものだ:AKPに激しく反対する人々も耳を傾けなければならない。というのは、トルコの全地域から均等に得票した唯一の政党はAKPだからである。トルコ西部でも票を集めた、CHPの伝統的な票田であるイズミルでも票を集めた、(クルド人地域の)南東部でも票を集めた。
 あらゆる政治学の本では、「国民化」の過程における社会では、全ての階級から票を集めることが可能な、巨大な大衆政党が存在することが絶対的に重要であると書かれている。
昔のCHPや、昔の民主党、公正党(AP)やトゥルグト・オザルの祖国党(ANAP)も、そうであった。今日のトルコにおいて「社会的共通部分」を押さえている唯一の政党はAKPである。総選挙での勝利確定の後、エルドアン首相が行った演説は、ある種の「挑戦」的性質のものではなく、全ての階層に呼びかける、統一者そして改革者の性質を帯びた新しい時代のために喜ばしいものだった。
 問題は、「社会的共通部分」の左脚が動かないことである!
 民族主義者行動党(MHP)は民族主義を代表しており、得票数を100%近く増加させた!
 「社会民主主義」に関しては、「成功した」と述べることは不可能である。
 この選挙は、社会民主主義の空洞化を公にすると共に、真の意味での社会民主主義運動のため速度を上げるだろう!エルジャン・カラカシュ、スレイマン・チェレビー、フアット・ケイマン、といった社会民主主義者と私は話し、彼らも同様のことを述べていた。

■国会における民主市民党(DTP)?
 この選挙で私が確認した第3の重要なメッセージは、DTPの得票数の後退である。独立候補達と国会でグループを形成する。国会体験が長い時間において穏健化に影響することを私は信じている。しかし、このためにはDTPの国会議員達が民主主義を信じること、「命令」にではなく、民主主義の原則にのっとって行動することが必要だ。
 投票箱は彼らにも以下のメッセージを送った:(我が国の)クルド人達は、彼らのアイデンティティーを表明することを望み、また、テロや民族主義の過激化を拒否した。そのため、DTPの票は減少したのだ!
 2002年の総選挙において、民主人民党(DEHAP)のディヤルバクルでの得票率は56%であったが、今回の総選挙ではDTP党員の独立候補の得票率は47%に減少した。
 これには保守的な価値観のみならず、平安や安定のあこがれも役割を果たした。公共サービスの増加には、国家によって受け入れられていることを感じる役割がある。テロを拒否する役割がある…
 国会に参加するDTPの議員達も、大衆が平安を望んでいることを、経済(発展)を望んでいることを、テロは望んでいないことを認識しなければならない。
 

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( 翻訳者:関口 陽子 )
( 記事ID:11464 )