イラク北部でトルコと米国、合同で軍事行動か?
2007年07月31日付 Zaman 紙

トルコが単独でイラク北部への干渉に乗り出すことを望まないアメリカから、「合同での軍事行動」というシグナルが出た。

ワシントンポスト紙は、アメリカ合衆国がテロ集団であるクルド労働者党に対してトルコ政府と合同で極秘の軍事行動を準備する予定と強調した。記事によると、特殊部隊が参加する予定の作戦の目的は、クルド労働者党の活動地域で指導者を捕まえることである。その説を取り上げた合衆国の重要なコラムニストの一人、ロバート・ノバック氏は、国防次官のエリック・エデルマン氏が、先週議会のメンバーにこの話題に関する説明を行ったことを明らかにし、アメリカがこうした方法でトルコ軍が北イラクに入るのを妨害したい意向、と述べた。

ザマン紙の質問に答えたアンカラの外交筋は、「極秘作戦」説の正否について発言を避けた。アメリカ合衆国国務省上級レベル責任者のマット・ブリーザ氏(Matthew Bryza)は、先週行った説明で、クルド労働者党に対して新たな対策を計画していると述べた。しかしながら詳細は語らなかった。

ベテランコラムニストのロバート・ノバック氏は、昨日出された「ブッシュの賭け」という見出しの記事で、ペンタゴンの「ナンバー3」、国防次官のエリック・エデルマン氏が法律に基づき議会の一部メンバーにこの話題について簡単な説明を行った、と述べた。記事では、クルド労働者党を「指導者不在にすることを目的とし、トルコ軍に付き添って、アメリカ軍特殊部隊も参加予定の極秘合同軍事行動の件で、アメリカの上級レベル責任者がトルコの担当者と協議中、と明らかにした。

ノバック氏によれば、エデルマン次官は、(議会関係者への)説明の中で、「計画は、極秘軍事行動によりクルド労働者党の指導者を活動不能とする際、合衆国の特殊部隊がトルコ軍を援助する予定のもの」と述べた。また同氏は、エデルマン次官の説明を聞いていた議会メンバーが非常に驚き、このリスクの程度について質問したとする。(これに対し)エデルマン次官は、成功を確信しており、どんな状況でもアメリカ合衆国の役割は極秘とし、必要とあれば否定しえよう、と述べたという。記事の中では、軍事行動が大変なリスクを伴うと評価された。

サッダム(・フセイン)の失脚は、イラク北部でクルド勢力の力を増し、トルコが「警戒準備をする程」不快にしたと評価し、「イラクでクルド勢力が力を増すにつれ、国境を越えてトルコから広範な領土を切り離すことを予見するクルディスタン計画に関して、トルコ政府の不安は増し続けている」と記した。この話題に関して自らの見解も示したノバック氏は、イラクやアフガニスタンでの問題が、この「危険で疑わしい」新たな極秘軍事行動(の実施)についてブッシュ政権を怯ませない、と明らかにした。

公正発展党(AKP)所属の国会議員でエルドアン首相の外交政策顧問のエゲメン・バウシュ氏は、一昨日イギリスのある新聞に出した声明で、イラク北部のクルド労働者党の存在について、「同盟者が何もしなければ、選択の余地は少ない」と述べ、「必要なら、アメリカ合衆国に敵対しようとも、イラク北部に進入する」と述べた。

クルド労働者党のイラク北部での指導者が捕えられ、トルコに引き渡されることは、選挙の前にワシントンにあるハドソン研究所で想定調査された「最悪のシナリオ」会合でも議題となった。トルコで反発を受けた会合に参加したトルコ人の何人かは、アメリカ側に「選挙前にクルド労働者党のリーダーを捕まえてトルコ政府に引き渡すことは公正発展党を有利な方向へ導く」と警告した、と報道された。

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( 翻訳者:大田垣綾子 )
( 記事ID:11525 )