安倍首相、辞任せず
2007年07月31日付 E'temad-e Melli 紙

【エッテマーデ・メッリー】与党の敗北から一日が経った昨日、最悪の状況下で自身初の政治的敗北を喫した日本の若き首相は、辞任する考えのないことを表明した。

 かつて「最も人気のある首相」との評判をほしいままにした安倍晋三氏は、辞任によって同国を政治的ショックの中に沈めるわけにはいかないと述べた。今回の選挙における自民党の惨敗にもかかわらず、安倍氏はあらゆる辞任要求に対して抵抗する構えであり、日本をこの状況下で一種の政治的空白に晒してはいけないとの信念を示している。

 今回の投票に参加した日本の有権者は、権力の一極化には反対する意志を表明した格好である。1年にも満たない前に、投票箱に足を運び、戦後生まれの男を初めて首相に選出したのも、まさに同じ有権者だった。日本国民はこの10か月の間に、安倍首相もまた自分たちを救うことはできないという確信に至ったのである。とはいうものの、安倍氏は外交分野においては、巨大な旋風を巻き起こし、近隣諸国との関係改善を果たしてはいる。

 しかし安倍氏はこの大敗の後、辞任することはまったく考えておらず、また自分のこれまでの実績についても後悔していないと語った。

 安倍氏はこの点に関して、「たとえ悪い状態のまま状況が進行したとしても、私は政権から外れることはできない。なぜなら日本はこのような状況下で政治的空白に耐えることはできないからだ。私の義務は日本経済を再生することだ」と述べた。

 安倍氏はまた、内閣改造を行なうために衆議院を早期解散する意志のないことを表明した。同氏は早期解散・総選挙の代わりに内閣を大改造する予定であることを明らかにした。首相は「国民は選挙への参加を通して、我々が過ちを受け入れてそれらを改善する姿勢を示すべきだ、という意志を表明した。私も9月までに、内閣および党の主要人事を一新するつもりだ」と語った。

 選挙結果が出た後、日本の各紙は辛辣な見出しで、首相は敗北を受け入れて辞任するべきだと主張した。

 この選挙で自民党および同党と連立関係にある政党は、合わせて103議席となった。しかし両党が合わせて過半数に到達するためには、122議席必要だった。一方民主党は今回112議席(訳注:109議席の誤り)となった。同党は前回の参院選で81議席有していた〔ママ〕。

 安倍氏は今のところ辞任を拒んでいるが、党のナンバー・ツーであるとされる自民党幹事長は、この敗北を受けて辞任を表明した。安倍氏は52歳で、総理大臣の椅子を手に入れた際、日本を美しい国にすることを約束した。しかし、順調な月日は早々に終わりを告げ、閣内の不祥事の拡大により、同氏は今回の選挙での敗北を認めざるを得なくなった。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:中根敦 )
( 記事ID:11533 )