Taha Akyol コラム: 国会そして大衆に向かう大臣達
2007年08月09日付 Milliyet 紙

キョクサル・トプタンを私は1980年代前半以来知っている。(国会議長の)候補者として示された立場は実に彼にふさわしいものである。候補者であることは社会のあらゆる層から好意的に迎えられた。
 あれは4年半前のことであった…タイイプ・エルドアンは党首であったが、未だ首相ではなかった。私達は党本部で会談した。話題は教育に及んだ。そしてエルドアンは以下のように述べた:
―キョクサル・トプタンは国民教育省の非常に良い大臣になる、そう思わないか?
 メモを取ろうとしたが、エルドアンは「書かないでくれ、そして誰にも言わないでもらいたい。私達はお喋りをしているのだ。」と注意した。
 その後、政治のダイナミズムは異なった方向に進んだ、これは実現しなかった。
 トプタンは司法委員会の委員長となり、今、国会議長に就任しようとしている。
 民主党そして公正党の流れを汲み、国政経験を持つトプタンの長い政治生命において、汚点は全くない。とても卓越した力を持つ、そして敬意を払われる国会議長の1人と数えられるであろうことを、私は全く疑っていない。
 ビュレント・アルンチのような「政治好きな」人物の代わりに、キョクサル・トプタンのような、より「中庸」に近い人物…
 首相が選挙の夜に行った演説に沿って考えると、重要且つ素晴らしい進歩である。

■大統領候補は誰であろう?

 大統領候補についても、同じことが考えられないだろうか?!
 大統領候補には、外相ギュルのような敬意が払われる、しかし政治色の強い人物の代わりに、敬意は払われつつも政治色が「弱い経歴」の人物が選ばれることが、国会の理論より適している。
 この一方で「政治のダイナミズム」も存在する:正統性を主張するに必要な票数や国会で必要な議席を押さえているにも関わらず、選挙で国民に示した候補者を「大統領に選出できない」姿は、様々な階層において政治的な弱点として認識されかねない。これもまた、政治が過小評価できない現象の1つである。
 更に、ギュルはこのような政治的必要性から、「候補者から絶対に降りない」と言う。私には言わなかった。私は選挙期間中以来ギュルと会っておらず、話もしていないが…関係者達にはこのように述べている:例えば、昨日近しい友人の1人サリフ・カプスズに再び、以上のように述べていた。
 ギュルが、(現大統領)セゼル氏とは異なるより柔軟な姿勢の人々と妥協するように振舞うだろうと予測するのも難しくはない。

■中心に向けて

 ギュルとエルドアンの間にある、親しさと政治にまで及ぶ一体性は、お互いに反対する態度を取ることの障害である。現在、ギュルとエルドアンは大統領選に関して異なった傾向にあるように見受けられる。両者共、1つの場所に来て、お互いを縛っている結ぶ目を解かねばならない。
 公正党の例もある:首脳陣相互の反感が「個人的な」面にとどまらず、政界を揺るがすような反響を起こすこともあるのだ!大統領候補には誰がなるにせよ、公正発展党(AKP)は全党をあげて中道に向かって進んだ政党、更に言えば、新たな幹部と支持基盤とによって、社会の中央部を代表することになった政党でもある。これは、すでに結成の際に見られたダイナミズムであり、宗教への偏執は、その当時においても根拠がないものだった。
 特に、この段階において、大統領選出に関して「投票箱から暗黒が生じる」などという挑発の再準備をたくらむことは非常に間違っている。緊張なしに、我々は大統領選挙を成功させねばならない。

解説:トルコ労働組合連盟(Turk-Is)のサリフ・クルチ氏は電話をかけ、「ストライキは我々の権利であるが、最後に使われる武器でもある」と述べた。公共機関における、前期は38万、今期は32万の労働者のため、全体的な協定にサインしたことを、低賃金者には34%、平均で10%近く賃金が引き上げられることを、ストライキに参加しないことを、「責任ある労働組合」であることを説明した。私も彼らを祝福しよう。



訳者註1:キョクサル・トプタンについて
 1943年リゼ生まれ。イスタンブル大法学部卒。弁護士の資格を持つ。先の総選挙ではAKPの候補者としてゾングルダクから当選した。因みに、このコラムの論者ターハ・アクヨル(1946年生まれ)もイスタンブル大法学部卒である。


訳者註2:トルコ労働組合連盟(Turkiye Isci Sendikalari Konfederasyonu:Turk-Is)について
 1952年設立。与党民主党は1957年以降監視を強める。1960年軍事クーデターの後、労働組合の活動活発化により、Turk-Isも政治色強める。1967年には組合の穏健路線に反対する労組が脱退し、トルコ革命労働組合連盟(Devrimci Isci Sendikalari Konfederasyonu:DISK)結成。その後Turk-Isは政治的には中立保つ。1980年軍事クーデターにより1983年まで活動が停止させられた。1990年代以降、その主要な構成員は公務員である。
(Turkiye Sendikacilik Ansiklopedisi, cilt3, Istanbul: Kultur Bakanligi ve Tarih Vakfi, 1998,pp. 325-351.より) 

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( 翻訳者:関口 陽子 )
( 記事ID:11616 )