イラク、カルバラーで二大シーア派民兵グループが戦闘
2007年08月29日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ カルバラー、マフディ軍対バドゥル軍の戦場に
■ ブッシュ、イラク国内のイランに対抗せよと米軍に指示
■ 死者数十名、逃げ惑う巡礼者ら、アル=カーイダが背教的スンニー派民兵組織に宣戦布告

2007年08月29日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【バグダード、カルバラー:本紙】

昨日のカルバラーは、ムクタダー・アッサドルに従うマフディ軍とアブドゥルアジーズ・アル=ハキーム率いるイスラム最高評議会のバドゥル軍双方の民兵による戦闘が拡大し、戦場の様相を呈した。目撃者によれば、イマーム・フセイン廟とイマーム・アッバース廟が直接砲火に晒された。犠牲者数の情報が錯綜する中、アル=フセイン病院によれば、シーア派の巡礼者の中から死者28名、負傷者144名が出た。死者は5名以下との情報もある。

イマーム・マフディの生誕祭である本日を祝うためイラク各地からカルバラーを訪れていた数千のシーア派巡礼者は、昨日以来拡大する暴力事件のため、市街からの避難を余儀なくされている。イラク内務省スポークスマン、アブドゥルカリーム少将がイラク国営テレビに述べたところによれば、バグダード並びに近隣の各県から応援部隊が送られており、警察は外出禁止令を発している。

匿名のシーア派高官は、カルバラー市内の二大霊廟に近い地区も、昨日遅く銃撃戦に晒されたと述べた。それらの銃撃が、フセイン並びにアッバース廟を狙ったものだったのか、との問いに、そうだと答えつつ、同人は政府に事態収拾を要請した。

過去24時間内にカルバラーで発生した流血の傍ら、昨日午後、マフディ軍に属する武装グループが、首都バグダードの各地でイスラム最高評議会とバドル軍の事務所を攻撃し、死傷者は二百名に達した。マフディ軍は、カーズィミーヤ、サドルシティとその近郊で、同上の攻撃を行うところを目撃されている。

一方、火曜日ホワイトハウスが発した声明によれば、ブッシュ大統領は、イランに対し、駐イラク米軍を標的にする武装グループへの支援を即時停止するよう要請、イランが、イラク国内で軍事訓練、武器供与等の後方支援を行っているという米側の疑念を新たに表明した。イラン政府はこのような振る舞いを直ちに止めるべき、との声明に続き、ネバダ州の演説で合衆国大統領は、イランによるイラクの過激派グループへの武器供与を阻止すべく、必要な対抗措置をとるよう米軍に指示、イランに対する警告をアピールした。

イラン大統領は昨日、イラクの合衆国軍は早期に崩れる、イランは空白を埋める用意がある等、ワシントンへの挑発ととれる発言を行った。昨日の記者会見で同大統領が述べたところによれば、「占領者の政治力は近々崩壊し、地域に大きな勢力の空白ができるだろう、我々はこの空白を埋め、地域の友人達並びにイラク国民を支援する用意がある、イランが協力し合う予定の国々の一つがサウジアラビアである」。

他方で、イラクのアル=カーイダと繋がりを持つイラク・イスラーム国家組織は、イラクのスンニー派民兵組織複数に対し、アメリカの利益のために動いていると糾弾、宣戦布告した。本紙が入手した同組織声明の写しによれば、それらのスンニー派民兵組織とは、「復讐心を募らせたバアス党分子、心弱き部族主義者ら、ジハード主義分派の取り巻き」を含む。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:11779 )